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セブン&アイHDは、議決権ベースで50・74%のニッセンHD株を保有。セブン&アイHD子会社であるセブン&アイ・ネットメディアとニッセンHDとの株式交換による完全子会社化となり、ニッセンHDの株主にはセブン&アイHD株を割り当てる。割当比率はセブン&アイHD株1に対し、ニッセンHD株0・015。セブン&アイHDの2日の終値で計算すると、ニッセンHDの1株は約64円相当。ニッセンHDは10月27日付で上場廃止となる。
セブン&アイHDではニッセンHDの子会社化を「オムニチャネル化推進の一環」と当初は説明していたものの、昨年11月に開設した通販サイト「オムニ7」にはニッセンHDは参加しておらず、グループのオムニチャネル構想から事実上外れた格好となっていた。
ニッセンHDでは、セブン&アイHDの子会社となった2014年12月期に、売り上げ回復を目指してカタログの発行回数を増やしたものの、主力子会社ニッセンの売上高は計画を大幅に下回り、赤字幅も拡大。これを受けて15年12月期はカタログ発行回数を減らすなど、経営方針が迷走していた。
ニッセンでは大型家具事業からの撤退や希望退職募集などの経営合理化を実施。今期(16年12月期)はカタログの統廃合や刷新、「安さのニッセンから価値のニッセンへと変えたい」(市場信行社長)とし、MD改革も進めてきた。しかし、今期も不振が続いており、ニッセンHDの今中間期の純資産は6900万円で債務超過寸前だった。
今後は大きいサイズアパレルなど、特殊サイズアパレルへのシフトを進める。「これまではニッセンHDの独立性を重視してもらっている部分があった」(ニッセンHD広報企画室)が、完全子会社化を機に、セブン―イレブン・ジャパンなどグループ企業間との相互送客の強化や、イトーヨーカ堂との共同商品調達なども行う方針。