前回・前々回に続き、ベルーナの安野清社長に前期の振り返りや今後の方針などを聞いた。
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――専門通販事業は、輸入雑貨などを扱う丸長を取得したことで全体の売り上げは伸びたが、健康食品のリフレや化粧品のオージオは売り上げが足踏みしている。
「さまざまな事業を展開しており、業界では最もバラエティーに富んでいるのではないかと思っている。いかに伸ばしきれるかが課題となる。今期は新たなチャレンジをして成長への足がかりをつかみたい。特に、リフレで扱う機能性表示食品、『ブルーベリー&ルテイン』『ぐっすりずむ』『はじめのグルコサミン』については非常に期待している。機能性表示商品は申請中のものもあり、7つまで増やす予定だ」――健康食品事業を伸ばすためのカギは。
「獲得した定期購入ユーザーをどう継続させるかに尽きる。新規顧客を100取り込んだとすると1年後の継続目標は33%程度、35%維持できれば成功だろう。ただ、これが25%まで落ちてしまうこともある。相手もあることなので難しいが、どうやって35%にするかだ。また、ネット販売も課題となる」
――リフレやオージオは売上高100億円を目標としてきたが、前期はそれぞれ48億7800万円、53億1100万円でなかなか目標の数字が見えてこない。
「今でも目標にはしている。また、昨年買収した丸長も売上高100億円にしたいと考えているが、足元は好調に推移している。ネット販売や海外取引のノウハウが非常に豊富なのが特徴だ。グルメは売上高100億円に到達しているが、看護師向けのナースリーとアンファミエについても、今期は合計で売上高90億円ほどを見込んでおり、100億円は近い。一方、ギフトのベストサンクスは、売り上げというよりもしっかりとした基盤づくりが優先となる」
――今期の専門通販事業は、営業利益率見込みが6・5%で、前期から2・4ポイントも向上する。要因は。
「一つはアンファミエで収益改善が見込めること。前期は倉庫変更やシステム不具合などがあった。もう一つはベストサンクスが約2億円の赤字だったが、今期は黒字に転換する予定だ」
「収益性を犠牲にして成長するつもりはなく、予算はクリアしながら成長をどう促進できるか。テレビの活用がまだ弱いので何とかしたいと思っている」――ワイン事業については。
「これもネット販売が課題。今後はワインだけでなく、リフレやオージオなども含めてグループ一体となってネット販売に取り組んでいきたい。今は総合通販事業が先行して改善を進めているので、成果を横に広げていく。ネット販売はそれぞれがバラバラに取り組んでいるので、組織的な取り組みが重要だ」
――店舗事業では、引き続きアパレル店舗の出店を進めている。
「出店する以上は利益を出さないといけないが、立地の問題がある。出店しても赤字を出して撤退するのでは意味がない。イメージとしては1店舗の売上高が平均1億円、そのうち10%の利益を取りたい。今の売上高は1店舗あたり9200万円程度だが、これを1億円にするために取り組んでいる。店舗数については今期中に75まで伸ばしたい」 「一方、和装店舗については現在63店舗だが、今期中に68店舗まで伸ばす。こちらも1店舗の売上高は1億円を目指している。5月に和装レンタルのマイムを買収したが、これを含めて来期は和装関連で売上高100億円、営業利益10億円が視野に入る。また、M&Aも進めたい」――アパレル店舗は全国をカバーしているのか。
「まだ全国展開はしていない。本当はローカルで展開し、エリアを広げない形だと物流面で効率が良いのだが、それでは好立地が少なく、なかなか店舗数を増やすことができない」
――店舗とカタログ、ネット販売のシナジー効果について。
「店舗にカタログを置いているが、通販への誘導についてはまだこれからという数字。店舗を200~300出し、CMなどの広告で回収を図る形にしたいが、まだそこまで条件が整っていない。規模が大きくなれば、かけた媒体費を店舗・カタログ・ネットで回収できるが、ここまで持って行くにはまだ時間がかかる」――テレビCMはイメージCMか。
「そうだ。媒体費を回収するチャネルをたくさん作ることが必要。ただ、今の売上高では難しい。やはりアパレル店舗と総合通販事業で2000億円規模にしなければいけない。イメージとしては店舗で300億円、カタログで700億円、ネット販売で1000億円。7~8年後に達成できれば」――アパレル店舗はミセス層向けのみの展開なのか。
「メンズを投入したり、やや広い店を出店したりというチャレンジはしている」――ファイナンス事業を主力事業から外した。理由は。
「CPOがかかりすぎているのが問題だ。そこで、新規のうち40%をネット経由、30%はグループの既存客のリストから、20%を新聞折込チラシなど、残り10%はその他から取るように変えたいと思っている。ただ、過払い金返還請求も落ち着いてきており、中核事業ではなくその他事業としてのパワーは十分にあるのではないか」――2019年3月期を最終年度とする中期計画では、売上高1600億円、営業利益160億円を目標としている。
「前倒しで達成する気持ちで取り組んでいる。今期も売上高は1400億円が目標だが、1500億円を目指して取り組む。総合通販事業では、ネット関係とインナー、40代向けカタログ『ラナン』は弱いので、この3つを起爆剤にしたい。特にインナーは売上高50億円程度なのでまだまだ伸ばせる。中心となる商材を投入することで売り上げを増やしたい」(おわり、②はこちら)
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――専門通販事業は、輸入雑貨などを扱う丸長を取得したことで全体の売り上げは伸びたが、健康食品のリフレや化粧品のオージオは売り上げが足踏みしている。
「さまざまな事業を展開しており、業界では最もバラエティーに富んでいるのではないかと思っている。いかに伸ばしきれるかが課題となる。今期は新たなチャレンジをして成長への足がかりをつかみたい。特に、リフレで扱う機能性表示食品、『ブルーベリー&ルテイン』『ぐっすりずむ』『はじめのグルコサミン』については非常に期待している。機能性表示商品は申請中のものもあり、7つまで増やす予定だ」
――健康食品事業を伸ばすためのカギは。
「獲得した定期購入ユーザーをどう継続させるかに尽きる。新規顧客を100取り込んだとすると1年後の継続目標は33%程度、35%維持できれば成功だろう。ただ、これが25%まで落ちてしまうこともある。相手もあることなので難しいが、どうやって35%にするかだ。また、ネット販売も課題となる」
――リフレやオージオは売上高100億円を目標としてきたが、前期はそれぞれ48億7800万円、53億1100万円でなかなか目標の数字が見えてこない。
「今でも目標にはしている。また、昨年買収した丸長も売上高100億円にしたいと考えているが、足元は好調に推移している。ネット販売や海外取引のノウハウが非常に豊富なのが特徴だ。グルメは売上高100億円に到達しているが、看護師向けのナースリーとアンファミエについても、今期は合計で売上高90億円ほどを見込んでおり、100億円は近い。一方、ギフトのベストサンクスは、売り上げというよりもしっかりとした基盤づくりが優先となる」
――今期の専門通販事業は、営業利益率見込みが6・5%で、前期から2・4ポイントも向上する。要因は。
「一つはアンファミエで収益改善が見込めること。前期は倉庫変更やシステム不具合などがあった。もう一つはベストサンクスが約2億円の赤字だったが、今期は黒字に転換する予定だ」
「収益性を犠牲にして成長するつもりはなく、予算はクリアしながら成長をどう促進できるか。テレビの活用がまだ弱いので何とかしたいと思っている」
――ワイン事業については。
「これもネット販売が課題。今後はワインだけでなく、リフレやオージオなども含めてグループ一体となってネット販売に取り組んでいきたい。今は総合通販事業が先行して改善を進めているので、成果を横に広げていく。ネット販売はそれぞれがバラバラに取り組んでいるので、組織的な取り組みが重要だ」
――店舗事業では、引き続きアパレル店舗の出店を進めている。
「出店する以上は利益を出さないといけないが、立地の問題がある。出店しても赤字を出して撤退するのでは意味がない。イメージとしては1店舗の売上高が平均1億円、そのうち10%の利益を取りたい。今の売上高は1店舗あたり9200万円程度だが、これを1億円にするために取り組んでいる。店舗数については今期中に75まで伸ばしたい」
「一方、和装店舗については現在63店舗だが、今期中に68店舗まで伸ばす。こちらも1店舗の売上高は1億円を目指している。5月に和装レンタルのマイムを買収したが、これを含めて来期は和装関連で売上高100億円、営業利益10億円が視野に入る。また、M&Aも進めたい」
――アパレル店舗は全国をカバーしているのか。
「まだ全国展開はしていない。本当はローカルで展開し、エリアを広げない形だと物流面で効率が良いのだが、それでは好立地が少なく、なかなか店舗数を増やすことができない」
――店舗とカタログ、ネット販売のシナジー効果について。
「店舗にカタログを置いているが、通販への誘導についてはまだこれからという数字。店舗を200~300出し、CMなどの広告で回収を図る形にしたいが、まだそこまで条件が整っていない。規模が大きくなれば、かけた媒体費を店舗・カタログ・ネットで回収できるが、ここまで持って行くにはまだ時間がかかる」
――テレビCMはイメージCMか。
「そうだ。媒体費を回収するチャネルをたくさん作ることが必要。ただ、今の売上高では難しい。やはりアパレル店舗と総合通販事業で2000億円規模にしなければいけない。イメージとしては店舗で300億円、カタログで700億円、ネット販売で1000億円。7~8年後に達成できれば」
――アパレル店舗はミセス層向けのみの展開なのか。
「メンズを投入したり、やや広い店を出店したりというチャレンジはしている」
――ファイナンス事業を主力事業から外した。理由は。
「CPOがかかりすぎているのが問題だ。そこで、新規のうち40%をネット経由、30%はグループの既存客のリストから、20%を新聞折込チラシなど、残り10%はその他から取るように変えたいと思っている。ただ、過払い金返還請求も落ち着いてきており、中核事業ではなくその他事業としてのパワーは十分にあるのではないか」
――2019年3月期を最終年度とする中期計画では、売上高1600億円、営業利益160億円を目標としている。
「前倒しで達成する気持ちで取り組んでいる。今期も売上高は1400億円が目標だが、1500億円を目指して取り組む。総合通販事業では、ネット関係とインナー、40代向けカタログ『ラナン』は弱いので、この3つを起爆剤にしたい。特にインナーは売上高50億円程度なのでまだまだ伸ばせる。中心となる商材を投入することで売り上げを増やしたい」(おわり、②はこちら)