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消費者基本計画を閣議決定、食品関連が2割、関心高まる"食の安全"を意識

2010年 4月 8日 11:10

政府は3月30日、2010年度から5カ年の消費者政策を示す「消費者基本計画」を閣議決定した。全171施策のうち食品表示に関する法規定の一元化や「食品安全庁」設置など、食品関連の施策が約2割に上っている。

食品表示「一元化法」の制定

 一元化法は、現在、消費者庁が抱える食品衛生法、JAS法、健康増進法など食品関連の法律を「食品表示法」(仮称)としてまとめるもの。10年度中に消費者庁で検討を開始し、11年度以降に何らかの措置を取る。

 これまで消費者庁で検討が開始され、今も審議が継続する「健康食品の表示に関する検討会」や原料原産地表示に関する意見交換会、トランス脂肪酸の情報提供のあり方などがその布石といえるもの。ただ、「前倒しで措置を取る可能性もある」(消費者庁食品表示課)としており、全ての法律を一元的なものとするかは含みを持たせている。

「食品安全庁」の創設検討

 続いてこれも10年度から検討を始める「食品安全庁」。民主党のマニフェストでも言及されており、農林水産省の食品安全局や厚生労働省の食品安全部、食品安全委員会など担当部局が分かれるリスク管理機関を統合して庁を創設する考えだ。消費者庁も「食の安全で司令塔的な役割を果たしていく」(同)として、関係省庁と共に議論に参加する。

 ただ、「どこに設置するかも含めて今後検討することになる」(同)としており、構想が具体化するのはまだ先。製品の安全から「食の安全」のみ抜き出して管理する点も疑問が残る。

 相次ぐ食品偽装で消費者の関心が高まっていることもあり、今回、マニフェストや基本計画に盛り込まれたものとみられる。

放送番組の公表制度

 一方、総務省の検討案件として挙げられたのが、通販番組に関するもの。政府は今年3月に放送法の改正案を公表。放送事業者が放送番組の分類と放送時間を公表する制度を盛り込んでいる。

 これは通販番組のみを対象にしたものではない。だが、改正案の検討段階では、通販番組を「広告」として分類することも検討しており、その場合、放送事業者は、日本民間放送連盟が示す広告の放送時間(週単位で18%以下)に基づき、大幅に番組編成の見直しを迫られる可能性があった。

 総務省では「(法律の公布後、)番組種別の基本的な考え方を省令などで定めることも検討する」としており、公表制度の導入が将来的に、通販番組を「広告」に位置づけるか否かの議論再燃を招く可能性もある。


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