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イーザッカマニアのECとオフラインの現状は?㊦  ズーティーの今石社長と浅野取締役に聞く

2015年 9月10日 13:35

 2-1.jpg前号に続き、ズーティーの今石雄介社長(=写真㊧)と浅野かおり取締役に、ネット販売の取り組みについて聞いた。



──ECの課題は。

浅野 「『イーザッカマニア』はそこそこ知られるようになったが、他店から言われるほどうまくいっているわけではない。メルマガもトップページもすべてが悪くはないが、まあまあ。不便なことはないが、面白いかと言われるとそうではない。これまで、スタッフが取り組んでいることに対して『ダメだ』とは言わなかった。すると、そのスタッフは下の子にも同じように任せてしまう。『悪くはない』ということが指標になってしまい、こんなことをしたら面白いけれど、お客さんに怒られるかもしれないことはやらなくなり、結果的に面白くなくなっている

──キレイにまとまっているようにも見える。
 
浅野 「知人から増改築を繰り返した旅館みたいと言われたこともある。良かれと思って宴会場や大浴場を作ったけれど、動線が悪くてうまくいっていない。そうであれば、すべて壊して新築にした方が良いものができる。そこで最近、『私がメルマガを書くし、トップページも作り直すから、これまでのデータのバックアップをすべて消すよ』と宣言したら、スタッフも腹をくくったようで、『多少のアンチ(イーザッカマニアの消費者)が出てきても、自分たちが面白いと思うことをやります』と言ってくれた
 
──刷新する怖さは。
 
浅野 「おかしなことになるかもしれないが、それはそれでいい。これまでのように小手先だけの取り組みではうまくいかない。中途半端なことばかりしてきた恥ずかしさを感じている。大きく変えて"新生イーザッカマニア"を作りたい。商品にはこだわりを持っており、見せ方を変える

──メルマガは。
 
浅野 「誰もが担当できるような、のっぺらぼうなメルマガを配信するよりも、『なんだこの子は』というくらいキャラクターが立っている子がメッセージを送った方が伝わる。いまは覚悟を決めたスタッフのやりたいようにさせる。ただ、社長はヤキモキすると思う
 
今石 「仕事が引き継ぎベースになっているのは感じている。リスクがありそうなことはしなくなり、お客さんとの距離感が生まれてきている。お客さんに近寄り過ぎたらひけばいいのに、最初から一定の距離をとって接客していると感じる。8月に開催した『楽フェス』には当社のメルマガ担当者なども参加しており、実際にお客さんと接したことで意識が変わればいい。過去にやったことのアレンジばかりでは、『イーザッカマニア』の面白味がどんどん薄れていく。商品へのこだわりは変わらないし、サービスややりたいこと自体の本筋は変わっていないため、どのように壊されても怖くはない。実際に、核となるメンバーが育ってきたタイミングでもあり、今なら全部壊しても何とかなる
 
──企画については。
 
浅野 「以前、サイト上で"仏滅セール"というのを実施したことがあり、いま思えばすごく不謹慎だが、とくにクレームはなかったし、お坊さんから怒られたわけでもない。当時、別の会社で働いていたスタッフの記憶には鮮明に残っているようで、今こそそういうインパクトが欲しい。ユニクロさんが仏滅セールをやったらSNSで炎上し、夕方のニュースで流れそうだが、当社くらいの規模感だからこそできることがある。この数年はそういうメリットをまったく生かせなかった

──2015年9月期の成長率は。

今石 「伸びるのは間違いない。10%伸びるかどうかで、40億円前後での着地といったところ。ただ、アパレルの9月と言えば秋シーズンの立ち上がり時期で、残り1カ月の状況にもよる
 
──今期はどんなことに重点を置いたのか。
 
今石 「人に力を割いた1年だった。上のスタッフがやればもっと伸びたかもしれないが、人と組織を作ることを優先した。この先、もっと伸びるタイミングがくると思っており、そのときに機能する組織を作っている。50億円の売り上げは作れる感覚はある。普通は踊り場と言われているが、その水準から加速したい
 
──オリジナル商品については。
 
今石 「オリジナルの型番数は全体の3~4割程度だが、今後の成長をけん引するのはオリジナルで、この秋冬シーズンからかなり強化している。最初は、メーカーから『できない』と言われたら諦めるしかなかったが、生産の現場に入り、なぜできないのかを詰めていくことで、『こういう形ならできるのでは』と一歩踏み込めるようになった。今までならできなかった商品のサンプルが届くと、サイト運営スタッフも興奮する。売る側がそれだけ思っている商品は消費者にも伝わる。商品の企画・デザインを仕入先業者に任せるODMから、当社で商品企画を行って生産を依頼するOEMにもっと近づけたい
(おわり 前回はこちら



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