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新日本製薬、佐川と共同で環境対応サービス強化

2010年 3月25日 18:30

 新日本製薬(本社・福岡市中央区、後藤孝洋社長)は佐川急便(同・京都市南区、平間正1社長)と組み、3月21日から「CO2排出権付き飛脚宅配便」を導入した。宅配便1個の配送で排出されるCO2の排出権相当額を通販事業者と顧客、佐川急便で負担し政府に無償譲渡するというもので、以前、千趣会でも導入していた。新日本製薬では昨年から植林などの環境保全活動を積極化しており、今回のサービス導入で自社の環境に対する取り組み姿勢をアピールする考えのようだ。

 「CO2排出権付き飛脚宅配便」は佐川急便が通販事業者向けに開発したもので、佐川急便が三井住友銀行を通じて購入した国連承認の温室効果ガス削減プロジェクトによるCO2排出権1万トンを使って展開する。宅配便1個の輸送で排出されるCO2排出量は383グラムで排出権1円分に相当するが、これを通販事業者と顧客、佐川の三者で負担し合計3円分、1149グラムのCO2排出権を政府に無償譲渡する仕組みだ。

 通販事業者で「CO2排出権付き飛脚宅配便」を導入するのは、千趣会に続き新日本製薬が2社目だが、新日本製薬では展開手法を変え、千趣会が顧客と佐川急便の三者で1円ずつを負担する形だったものを、新日本製薬で顧客分も含む2円、佐川が1円を負担。また、千趣会では顧客が同サービスの利用を選択できるようにしていたが、新日本製薬では顧客が購入した全商品を対象にした。

 新日本製薬は昨年、「エコプロジェクト・ワン」と題して、植林や地域の清掃などを行う活動を本格化しているが、今回のサービス導入で自社の取り組み姿勢を訴求するとともに、顧客にも環境問題への関心を持ってもらう狙いのようだ。

 佐川急便によると、これまでにCO2排出権関連サービスの宅配便の取り扱いは11万六千個あり、95トンのCO2排出権を政府に譲渡しているという。「CO2排出権付き飛脚宅配便」に対する他の通販事業者の反応としては、「まだ様子見のところが多い」(佐川急便広報部)状況だが、今後、顧客と一緒に取り組める環境保全活動として注目される可能性もありそうだ。

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