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B4F・カイエール社長が語る成長策

2010年 3月25日 18:07

3men.JPG 会員制の通販サイトを運営するB4F(ビーフォーエフ=本社・東京都渋谷区、アルメル・カイエール社長)が3月8日からネット販売を開始した。招待客に期間限定でブランド品を格安で販売する通販サイトは、昨年から続々とオープンしている。ドイツの親会社は、クチコミによって急成長を遂げており、日本でも2年後に会員250万人、売上高100億円という高い目標を掲げる。同社のアルメル・カイエール社長に立ち上がりの状況と戦略について聞いた。(聞き手は本紙記者・神崎郁夫)

 ドイツでは、親会社の業績が絶好調だ。

 「筆頭株主のプライベート・セールス・ゲーエムベーハーは07年9月に『ブランズ・フォー・フレンズ』を開設して、2年で会員250万人、売上高100億円を超える企業に成長した。今年は倍増の200億円以上を見込んでいる。リピート率の高さと、クチコミによる会員数の増加が高成長の原動力だ。会員の80%が招待客と聞いている。この成功体験を移植し、日本でも2年後に会員250万人と100億円の売上高を目指す」

 オープン当日はいろいろな場所でツイートされた。

 「サイト開設に合わせて、新宿駅に巨大な看板広告を掲載した。広告には当社ロゴの入った『iPhone』用のケースを貼り付け、通行人が持っていけるようにしたが、用意した1250個が15分でなくなった。ツイッターで『新宿でオレンジ色のケースをゲットした!』などとつぶやいてくれたことが大きい。

 交通広告は定期的に取り組むのか。

 「新宿以外でも渋谷や表参道、青山一丁目など、東京メトロの主要駅で展開する。それぞれの場所で、"期間限定"で広告展開することで、当社のビジネスモデルを伝えられるのではと考えた」

 実際に、会員数として表れているのか。

 「サイト開設後、1週間で5万人の会員獲得を目標にしていたが、オープン初日にこの数字をクリアした。第2ステップは1カ月後に10万人だが、これも超えそうだ」

 このビジネスモデルの強みは。

 「ブランドのイメージを損なわずに在庫を消化して、現金化できるのが最大の特徴だ。在庫処理のソリューションとして活用してもらうために、日本の市場に合致していて、しかも日本にある商品、つまり在庫だけを販売する。代理店を通さない並行輸入はしない。」

 ブランド側の認識も変化している。

 「最近では、ブランドの認知度向上や、新規顧客を開拓する販売チャネルとして活用されている。このビジネスモデルで、日本は5年後には2千億円の市場に成長するポテンシャルがある。アウトレットモールなど競合となるビジネスが存在するが、日本の消費者は目が肥えている。当社が提供する商品の価値を分かってもらえるはずだ」

 商品政策は。

 「当社で販売するブランドは国内外を問わない。ここで言うブランドとは、ラグジュアリーということではなく、信頼できるメーカーということ。当初は週に3―4ブランドを投入するが、1年後には毎日1ブランドを投入する。ファッションだけでなく、ビューティー、インテリア、家電、食品など生活を彩るアイテムをそろえることで、デイリーにアクセスしたくなるサイトにする。30代の女性を軸に置きながらも、幅広い顧客層を狙っている。商品カテゴリーが片寄らないよう、システマチックに毎月2回、各カテゴリーの商品を販売していく」

 商品ジャンルが広がると相当安い商品も出てきそうだが、客単価に影響は。

 「当社では、客単価にはフォーカスしていない。一番大事なのは顧客満足だ。顧客がどこに満足を感じるのか、常にそれを求めていく。商品や価格、サイトの使い勝手、配送などあらゆる面で支持されるサイトにしていく」

 日本で成功するためのキーワードは。

 「しつこいようだが顧客満足に尽きる。クチコミをベースにしているビジネスモデルでは、顧客満足度を高めることが最優先だ。それには、まず一度、体験してもらわないと話にならないわけで、商品の幅を厚くする理由もそこにある。もちろん、クチコミだけでなく、効果的なプロモーションがあれば挑戦する」

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