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報告書案から大きく変更のあった部分は、新たな機能性表示制度の名称について。報告書案では、既存の保健機能食品制度との混同を避ける目的で「保健」「栄養」の文言を使わず、食生活のバランスを考慮しなくて良いとの誤認を与えない観点から「健康」の文言の使用も適当でないとしていた。
検討会では、「誤認を与えない観点から使用しないことが適当」という意見と、「健康に寄与する食品の機能を表示する新制度の趣旨を考慮すると使用しても良い」という意見があった。これを受け、報告書では両論を併記する形にした。
消費者庁ではすでに、昨年の通常国会で食品表示法が成立したことを受け、食品の消費期限や原材料、添加物、栄養成分等に関する表示部分の「食品表示基準(案)」を策定。8月10日までパブリックコメントを募集している。
新制度も食品表示基準に規定されることを踏まえ、今後、新制度に関わる部分の食品表示基準案をまとめ、改めてパブリックコメントを募集する。
事業者の制度活用や消費者の制度に対する理解を深めるため、ガイドラインもしくは通知を検討するが、具体的に示す部分はまだ決まっていない。
ただ、報告書では、食経験による評価の詳細や、実際の機能性表示の表現例、他の表示制度との併用に関する整理が行われていないなど、事業者の活用にあたり課題を残す点がある。これらは、ガイドラインなどで示していくとみられる。
例えば、食経験の評価では全国規模の摂取集団で求められる摂取期間を「一定期間」と示すなど、要件の具体化に課題がある。また、食経験は「有無」の二択ではなく、程度によって評価に複数の選択肢を持たせることが適当との考え方もある。
表現例も、米国では「すでに正常範囲にあるコレステロール値を維持する」など疾病に訴求した表示とみなされない例が示されるなどしている。また、「回復」や「維持」「促進」「刺激」といった用語も疾病への効果を示唆するような文脈で使用された場合に疾病に訴求した表示に該当する可能性があるなどの考え方が示されている。これら表現例をガイドラインで示すことも今後、検討していく。