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ベネッセ個人情報流出、約2260万件の持ち出し判明、200億円原資に金銭的補償

2014年 7月24日 11:18

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個人情報流出事件を巡って、ベネッセホールディングスは7月21日、約2260万件の顧客情報が容疑者のスマートフォンによって持ち出されたと発表した。持ち出された個人情報の一部に、通販などの顧客情報が含まれていた。弁護士や専門家など外部の有識者が参加する調査委員会を発足し、原因調査や再発防止策の提言を行っていく。すでに流出した顧客への金銭補償に200億円の原資を投入する考えを示している。

 持ち出された約2260万件の顧客情報は、6月17日と同月27日の2回にわたって容疑者のスマホに保存されたもの。ベネッセが警察の依頼を受けて、データを鑑定して分かった。持ち出された情報の一部に通販サイト「ベネッセライフスマイルショップ」と、コミュニティサイト「ベネッセウィメンズパーク」に登録された顧客情報が含まれていた。

 持ち出された個人情報は住所、氏名、電話番号などのほか、出産予定日やメールアドレスとなる。クレジットカード情報は確認していない。名簿業者への売買など約2260万件の流出先は確認しておらず、警察の捜査を通じて解明したい考え。

 これに先駆けベネッセは7月17日の会見で、顧客に対する金銭的補償を行うと発表。200億円の原資を用意して、お詫びの品や受講費の減額などの対応を検討していく。今回新たに発覚した生活事業の顧客に対する補償は、「早急に結論を出す」(同社)とした。

 なお、流出した顧客情報は当初760万件としていたが、社内精査の結果620万件に訂正している。7月9日の発表以降16日までで、問合せのあった顧客の約6%で解約の申し出があったという。

 個人情報の大量流出を巡っては、原田会長兼社長の諮問機関で事故調査や再発防止策の提言を行う「個人情報漏えい事故調査委員会」を発足した。委員長に小林英明弁護士が就任し、委員にはラック専務CTOの西本逸郎氏やベネッセHD副社長兼CFOの福原賢一氏などが就いた。原田会長兼社長は17日の会見で「技術面の不備については、事故調査と捜査の結果を待って判断する。今後は組織における責任感や倫理観の教育に注力し、強烈な意識の向上を図っていく」と説明した。

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