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この問題は、比較対照価格となる「元値」をつり上げて、大幅な割引に見せかけるように、楽天のECコンサルタントが店舗に指示していたとされるもの。同日、店舗に対して同社が調査依頼のメール(=画像)を送信した。メールは全店舗に送ったものとみられる。タイトルは「調査ご協力のお願い」というもの。メールでは「万が一、不当な二重価格表示を提案されたことがある場合は以下の調査にご協力いただきますようお願いいたします」として、調査のために用意したページヘのURLを紹介している。
調査の内容は5点で、回答期限は7日の18時まで。「(根拠のない元値に変更するように)提案された時期」「提案されたのはメールか対面か」「どんな提案内容だったか、1000文字以内で具体的に」「提案した社員の名前」「提案資料はあるか」について質問している。さらには、「追加での確認や質問をする可能性もある」として、店舗URLや回答者名の記入を求めている。
匿名を前提とした調査ではないことから、楽天との関係を悪化させたくない店舗としては、実際にこうした提案があったとしても、正直に回答しにくい恐れがある。ある出店者は「楽天に不満を抱いている店舗は回答するかもしれないが、普通の店舗は答えにくいのでは」と調査内容について感想を述べる。さらに「楽天も『つり上げ』を指示したコンサルを探すのに躍起になっているようで、すでに退社した人間まで含めて調査しているという噂もある」と話す。
また、他の出店者からは「正直に答えると、楽天から目を付けられるのでないかと心配」「サーチから削除とか上位に来ないようにとかの嫌がらせがありそうな気がする」「(こうした提案をする社員が現れるという)体制に問題があるのでは」といった声も。報道した通信社へ「情報提供」をした店舗の洗い出しを行っているのでは、という懸念もあるようだ。
楽天市場に詳しい業界関係者は「RMS(店舗管理システム)から答える形のアンケートではないので、メールを見落とす出店者もいるだろう。回答期限が短く、『調査はしました』という見せかけの印象も否めない」と話す。
なお、調査結果の公表予定や、「つり上げ」指示が発覚した場合の社内処分の有無などについて楽天に問い合わせたところ、「貴社とは係争中のため、問い合わせ等への回答は差し控えます。貴社の取材に基づいた事実確認を十分に行い、誤った報道を行わないよう留意することを申し添えます」との返答があった。