オークローンマーケティングはスポーツクラブ向けに「フィットネスプログラム」の販売を今春から開始する。米国で人気のプログラムについて日本で展開する権利を取得し、インストラクターを派遣する形で提供する。秋をメドに150店舗への導入を目指す。同社では家庭用エクササイズDVDの通販という形でエクササイズビジネスを拡大してきたが、別形態での展開で新たな収益源を獲得し、同事業の拡大につなげる狙い。
OLMは国内のスポーツクラブを対象に「プレコリオ」(=音楽と振付が決められたフィットネスプログラム)の提供を開始する。米国などで話題となっている優れたプレコリオについて日本で展開する権利を取得して国内のスポーツクラブに提供する。
第1弾としてOLMが販売しているエクササイズDVD「コアリズム」や「ヤーナリズム」を手掛けた競技ダンスの世界チャンピオンのヤーナ・クニッツ氏が開発した7種類のラテンダンスを基本に腰や背中、臀部、太ももといった体幹を効果的に引き締める60分のプログラム「CORE 8 FITNESS by Jaana(コア・エイト・フィットネス・バイ・ヤーナ)」を提供する。
OLMが「コア8」の提供を希望するスポーツクラブに「プレコリオ」とともに同プログラムを教えることができる「認定インストラクター」を派遣する形。認定インストラクターとはクニッツ氏自身またはクニッツ氏が認めた「マスターインストラクター」による3日間の有料研修を受け、一定のレベルに達した受講者に与えられる認定書を獲得したインストラクターのこと。具体的な料金は明らかにしていないが初回契約料に加えて、月額のプレコリオ利用料と「認定インストラクター」の派遣料をスポーツクラブから徴収する。
「当社とスポーツクラブは競合のように見えるが、会員を引き付け、継続的に利用してもらえる優れたフィットネスプログラムが欲しいスポーツジム側とDVD販売だけでなくお客様と接点を持ってプログラムの楽しさを知って頂き、その優れたプログラムを様々な形で展開していきたい当社は実は相互補完関係が成立する」(カテゴリーブランド戦略室・浅野茂樹ダイレクター)として、まずはテスト展開として4月から都内のスポーツクラブ「TAC中野」「TACサンプラザ スポーツスペース」「NAS若葉台」の3店で「コア8」のプレコリオを導入後、スポーツクラブの利用者などの反応を見ながら、営業を強化しつつ、認定インストラクターも100人程度まで増やし、10月までに150店舗での導入を目指すとしている。一方で、フィットネス専門誌や女性誌などへの広告出稿やスポーツイベントにクニッツ氏が参加して「コア8」をレッスンするなどの活動も行っていく予定で、一般消費者へのPRを進める。
「コア8」のプレコリオの導入店舗が一定数まで増えた段階で、同プログラムをDVD化したり、DVD付きムック本の発売やトレーニングウェアなど関連商品の展開も視野に入れているようだ。「米国で人気のフィットネスエクササイズ『ズンバ』はDVD、プレコリオ、リアルイベントなどで年間500億円の売り上げを上げているようだ。当社でも優れたコンテンツ(=プログラム)から様々な展開を考えていきたい」(浅野氏)としており、2年後をメドにプレコリオ関連事業の売り上げを年間数十億円規模まで拡大させたい考えだ。
優れたコンテンツを全方位へスポーツジム向けにプレコリオを提供する新ビジネスに乗り出したオークローンマーケティング。狙いや今後の展開について同事業を統括する同社カテゴリーブランド戦略室の浅野茂樹ダイレクター(=画像)に聞いた。
――開始の狙いは。
「当社は自宅で手軽にエクササイズができる家庭用エクササイズDVDやフィットネス器具を販売してきたが、お客様の満足度の向上や事業の拡張性を考えた結果、"ホームエクササイズ"という枠にとらわれることなく、新たな領域にチャレンジしていこうと考えた」
――儲かるのか。
「『プレコリオ』だけで収益化しようと考えていない。我々は1つのプログラムをプレコリオとして提供でき、DVD化もムック本による書店販売も可能だ。トレーニングウェアなど関連商品による収益化も可能性としてはあり、色々な展開から利益を回収できる。トータル的に売り上げを確保するという考え方だ。米国で人気のフィットネスプログラム『ズンバ』ではプレコリオ提供やDVD・CDの販売、ライブイベント、トレーニングウェアの販売など様々な展開で年間500億円程度の売り上げを上げている成功事例もある。当社としても1つの優れたコンテンツを横展開し売り上げを上げて行きたい。初年度は投資的な意味合いが強く、収支はあまり意識しないが2年後には数十億円規模までコンテンツビジネスを拡大していきたい」――エクササイズDVDの方が収益面では貢献度は高そうだ。
「DVDはある意味で販売後はお客様との接点がなく、それで終わりだ。今回の新たなチャレンジはうまく進めば『ズンバ』のように単なるモノを販売するだけのビジネスとは比べ物にならない売り上げを上げる可能性も秘めている」 ――スポーツジムは競合だ。
「スポーツクラブ同士の競争はし烈で、常に会員を引き付けるためのプログラムを求めているが、非常にコストがかかる。我々が提供する海外で人気の『プレコリオ』を導入することで簡単に短期間で優れたエクササイズプログラムを会員に提供することができるようになる。我々としてもスポーツクラブでエクササイズプログラム、コンテンツの良さや面白さを実感してもらい、DVDを使って家で予習復習してもらい、スポーツクラブでは仲間と一緒にモチベーションを高くエクササイズをしてもらえると。今日習ったフィットネスプログラムの復習をスマホアプリでできるようにすることなども考えている。うまく融合できれば、ウインウインの関係が築けるはずだ。今後は我々が販売するフィットネス器具の仕様を変えてスポーツジム用に販売したりする試みも検討している。これまでのダイレクトレスポンスの枠だけにとらわれず、販売面や顧客接点を含めて全方位で考えていきたい」
優れたコンテンツを全方位へ
スポーツジム向けにプレコリオを提供する新ビジネスに乗り出したオークローンマーケティング。狙いや今後の展開について同事業を統括する同社カテゴリーブランド戦略室の浅野茂樹ダイレクター(=画像)に聞いた。
――開始の狙いは。
「当社は自宅で手軽にエクササイズができる家庭用エクササイズDVDやフィットネス器具を販売してきたが、お客様の満足度の向上や事業の拡張性を考えた結果、"ホームエクササイズ"という枠にとらわれることなく、新たな領域にチャレンジしていこうと考えた」
――儲かるのか。
「『プレコリオ』だけで収益化しようと考えていない。我々は1つのプログラムをプレコリオとして提供でき、DVD化もムック本による書店販売も可能だ。トレーニングウェアなど関連商品による収益化も可能性としてはあり、色々な展開から利益を回収できる。トータル的に売り上げを確保するという考え方だ。米国で人気のフィットネスプログラム『ズンバ』ではプレコリオ提供やDVD・CDの販売、ライブイベント、トレーニングウェアの販売など様々な展開で年間500億円程度の売り上げを上げている成功事例もある。当社としても1つの優れたコンテンツを横展開し売り上げを上げて行きたい。初年度は投資的な意味合いが強く、収支はあまり意識しないが2年後には数十億円規模までコンテンツビジネスを拡大していきたい」
――エクササイズDVDの方が収益面では貢献度は高そうだ。
「DVDはある意味で販売後はお客様との接点がなく、それで終わりだ。今回の新たなチャレンジはうまく進めば『ズンバ』のように単なるモノを販売するだけのビジネスとは比べ物にならない売り上げを上げる可能性も秘めている」
――スポーツジムは競合だ。
「スポーツクラブ同士の競争はし烈で、常に会員を引き付けるためのプログラムを求めているが、非常にコストがかかる。我々が提供する海外で人気の『プレコリオ』を導入することで簡単に短期間で優れたエクササイズプログラムを会員に提供することができるようになる。我々としてもスポーツクラブでエクササイズプログラム、コンテンツの良さや面白さを実感してもらい、DVDを使って家で予習復習してもらい、スポーツクラブでは仲間と一緒にモチベーションを高くエクササイズをしてもらえると。今日習ったフィットネスプログラムの復習をスマホアプリでできるようにすることなども考えている。うまく融合できれば、ウインウインの関係が築けるはずだ。今後は我々が販売するフィットネス器具の仕様を変えてスポーツジム用に販売したりする試みも検討している。これまでのダイレクトレスポンスの枠だけにとらわれず、販売面や顧客接点を含めて全方位で考えていきたい」