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髙田旭人副社長に聞く「ジャパネットたかたの今とこれから」㊦ トップ継ぐ覚悟できている

2014年 2月27日 16:05

2-1.jpg──今期の方向性は。
 
 「今期も増収増益を目指す。出足も悪くない。1月の月次売上高も前年同期比よりも上回って推移している。また、消費増税前の需要増に対応するため、比較的、高額な商品など動きがありそうな商材についてはきちんと準備をして仕掛けていく。一方で増税後の4月以降は増税の影響が少ない『語れる商品』や価格を抑えた商品をしっかり準備して備えようと思っている」
 
──今年のMD展開はどうしていくか。
 
 「掃除機『トルネオ』や『レイコップ』なども昨年あれだけ売れたから今年は抑える、ではなく、良い商品であるため、今年も引き続き拡販していく。デジタル家電に関しても可能性を感じている。

 昨年まではテレビ・パソコン部門のバイヤーだけは佐世保で社長直轄だったが今年1月の組織変更に伴い、全カテゴリーのバイヤーが東京へ異動した。改めてデジタル家電を見ていると様々な商品があり可能性を感じる。これまでもパソコンの設置サービスや使い方のレッスンなど、物販だけでないプラスワンのサービスを付けるなど、当社らしい試みを行ってきたが、こうしたサービスを付加する形はまだまだやりようはあると思っており、非常に楽しみだ。

 このほか、食品なども期待している。例えば、昨年末や今年に入ってから『カニ』をテレビ通販で販売したがすぐに完売するなど大変、好評頂いた。昨年も食品は"世の中的にはあまり知られていないが良いもの"をコンセプトに新設した食品チームが、試行錯誤しながらチャレンジしてきたが、あまりよい結果は残せなかった。ただ、こうした王道のカニをご紹介して、まずは『ジャパネットは食品もやっているんだ』というイメージを付けることも必要だと思う。食品はあくまで当社の強みのカテゴリーにプラスαを加える役割ではあるが、期待している。まったく新しい商材に関しても夏をメドに展開する予定だ。楽しみにしていて欲しい」

 
──昨年末に開催した有力取引先などを招いた会合で髙田明社長は2年後にはトップを退き、副社長を後任に推すと発表したが意気込みは。

 「高校生くらいから『親の会社を自分が守りたい』と考えてきた。そういう意味では覚悟はすでにできている。当社に入社してからも佐世保の本社を離れ、社長がいないところで、ジャパネットの良さを残しながら、仕組み化するという私のやり方を実践してきた。ただ、やはり"売る"という最後の部分については、常に中心に社長がいた。一番の不安は『消費者における社長の存在の大きさ』だ。こればかりはやってみないと分からないが、(髙田明)社長からは『退任しても"出て"と言われれば、きちんと協力する』と言ってもらっているため、あまり心配していない。

 経営に関しては、ずっと意識してやってきているため、イメージはある。昨年10月から私は人事の担当役員も兼務し、新たな人事制度の設計を始めた。転勤できない人が一般職だけでなく、総合職も選べるような『地域型総合職』を創設したりなど多様な働き方や雇用形態の整備、社員や部署の目標設定のほか、まだまだ役員や部長が少ないため、幹部となる人材の育成を含めた人材教育の仕組みなども進めている。私はこの2年でこの会社の"土台"を作りたいと考えている。

 私には社長ほど皆を引っ張っていくパワーはないと思っている。だからこそ、土台を作り、会社の方針とさえ合致していれば、社員それぞれがやりたいことを、その人の意志で新しいことでもチャレンジできる、皆が自分の意志で走ることができる環境を作っていきたい。その土台さえできれば本当にこの先、売り上げは5000億円でも1兆円でも行けるイメージがある。ジャパネットたかたはどこまでいけるのだろうと、今からとても楽しみでワクワクしている」

(おわり、㊥はこちら、㊤はこちら

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