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【モール運営5社の「二重価格」対策】㊤ 「パトロール」でチェック、元値の妥当性判断に困難も

2013年11月29日 16:40

 楽天が「楽天市場」で実施した「楽天日本一大セール」において、不当な二重価格表示を行った疑いのある店舗が複数あったことが判明し、大きな問題となった。ただ、不当表示はセール時に限ったものではなく、通常販売時にも存在しており、さらには楽天市場以外の仮想モールでも共通する課題といえる。そこで本紙では、仮想モールを運営する代表的な企業である、楽天・ヤフー・DeNA・アマゾンジャパン・リクルートライフスタイルの5社にアンケートを実施。各社の対策をまとめた。

 まず、これまで実施してきた不当表示対策に関して、楽天は「元値の妥当性を判断することは極めて難しいが、これまでは店舗にシステム上で宣誓をしてもらったり、注意喚起をした上で、原則としては店舗が表示価格を設定していた」(楽天市場事業PR推進グループ)と説明。その上で「大型セール開催時には、事前登録商品について元値が急激に引き上げられていないかをシステム的にチェックしていた」とした。また、DeNAは「人力による目視、著しい価格差異が見受けられた場合は営業担当者により店舗への直接の確認を行っている」(広報部)とコメント。ヤフーでは「セール企画では必ず事前に出品内容を確認しているが、すべてチェックはできないので、パトロールで見つけ次第対処する」(広報室)という。ただ、人力でのチェックには限界もありそうだ。

 アマゾンでは、対照価格として用いられる「参考価格」について、メーカーが広く消費者か小売業者に告知している価格かのいずれかであることを利用規約に明記。その上で「出品者とのコミュニケーションにおいて、『参考価格』欄に表示される価格は、製造業者・卸売業者により小売業者の価格設定の参考として設定され、カタログや商品本体への印字等により広く消費者または小売業者に公表されている最新の価格でなければならないことを周知している」(広報部)という。

 違反が確認された場合の処分については「契約解除や一定期間の出店停止」(楽天)、「悪質と判断した場合は最悪退店」(ヤフー)、「ルールにのっとり対応しているが、今後の対処法は検討中」(DeNA)、「出店約款で法例違反や準ずる行為とみなした際には、閉店もしくは退店処分と定めている」(リクルートライフスタイル・広報担当)とほぼ共通。実際に二重価格で退店があったかについては「複数の問題があり契約解除に至った店舗の中には、二重価格表示で問題があったケースも」(楽天)、「規約等への違反があった場合には厳正に対処するが、具体的な違反理由や件数等については公開していない」(ヤフー)、「当該理由のみでの退店はない」(DeNA)としている。



 店舗担当者の不当表示への対応について、楽天では「勉強会を開催するなど(担当者には)教育を行っている」とした上で「ECコンサルタントによって問題が発見された場合には店舗に指摘している」とコメント。同様に、ヤフーでは「(担当者には)都度注意喚起をしている。(不当表示は)パトロールで見つけ次第対処する」、DeNAでは「定期的に社員教育を実施。(価格は)営業担当者がチェックをしている」という。(つづく)
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