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急成長企業の物流戦略を追う リバークレイン

2010年 2月15日 12:26

7 2 .jpg バイク用品のネット販売で急成長しているリバークレイン(本社・東京都世田谷区、信濃孝喜社長)は、事業拡大に伴い物流業務の効率化に取り組んでいる。2002年の設立以来、毎年二ケタ成長を続け、2009年12月期の売上高は約30億円、取扱商品は100万点近くになった。物流拠点は08年2月に開設した「横浜フルフィルメントセンター」1カ所のみで、全国への商品発送業務を行っている。  

同社は取扱商品が多いため、ユーザーの注文後にメーカーや卸会社から商品を仕入れて発送しており、在庫を抱えない物流体制をとっている。そのため、同センターは保管を主体としない「スルー型」の物流施設として、荷受、検品、梱包、発送機能を特化させた。

  【時間短縮】  顧客の注文から配送までに要する期間は長くても4日程度。在庫の滞留時間を短縮するために取り入れた仕組みの1つが、物流現場責任者である「フィールダー」によるロケーション管理。作業場である1階部分(約平方メートル)の4カ所に配置されたカメラの映像を確認しながら、時間帯によって人の作業配置を変えて「手待ち人員」が出ないよう工夫した。

 その他にも、セクションごとの作業時間をストップウオッチで詳細に記録し、繁忙期の人員割り当ての参考にするなど人員活用の効率化に取り組んだ。  

【エリア活用】  また、限られたセンター内スペースの有効利用も図っている。同社では1週間以内の未使用商品であれば返品が可能で、同センターの2階部分(約330平方メートル)は返品やキャンセル商品を一時的に取り置くための倉庫スペースにした。

 不具合商品などについては基本的に仕入先のメーカーへ返品するが、サイズ違いなどの返品については他の顧客から注文があった場合に備え、一時的に取り置いている。さらに、品切れ防止のために早期に仕入れた人気商品の保管場所に充てるなど、極力無駄なスペースは作らない仕組み。

 【配送業務】  配送に関しても、同社ではあて先によって物流事業者を選別するといった注意を払っている。国内の主な地域は佐川急便、離島についてはヤマト運輸を使用。2月から始まった、欧州向けの配送については、郵便事業会社のEMSを使用するなど、物流事業者ごとの得意分野を把握して使い分けた。  

海外向けの配送に関して、物流責任者の神マネージャーは「民間の場合、末端配送は別の事業者が配送を行うこともあるが、EMSは郵便ネットワークだけを利用した配送なので海外でも信頼度が高い」とした。

 今後、郵便事業会社が提供する専用システムを使って、海外向け出荷に関する税関書類の処理時間などを短縮させていく方針だ。
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