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ベルーナ・安野清社長に聞く② 「システム、スマホ中心に」、CM効果は「60~70点」

2013年 7月11日 14:40


2-1.jpg──新たに発刊した40代向けの「ラナン」については。
 
 「これからだろう。一人前に育てるのには何年もかかる。ただ、ライフル銃で狙撃するように、細かくターゲットを絞りたいのはやまやまだが、それだとリストの量が減ってしまうため、兼ね合いが難しい。『どんぶり勘定』ではないが、大ざっぱにやってみることも必要だと思う」
 
──30代向けの「ルアール」は、前期比5・3%減の約71億円で減収だった。理由は。
 
 「いろいろと理由はあるだろうが、根本的には商品力と開発力だろう。ラナンと食い合う部分もあるにはあると思う。現在は20代向けが『リュリュ』、30代向けは『ルアール』、40代向けは『ラナン』となっているわけだが、細かく分けすぎている可能性もある。媒体のあり方も含めて、さまざまな選択肢を検討している」
 
──一方、20代向けの「リュリュ」は同21・9%増の約109億円だった。新たに始めたテレビCMの効果もあったのか。
 
 「CMに関しては『まあまあ』というところだろう。結局、通販の売り上げ増につなげるというよりも、イメージ向上につなげるという部分が大きい。100点満点でいえば60~70点というところか。ただ、リュリュのブランド認知度に関しては、確実に上がっているし、当面は継続する予定だ」
 
──若年層向け事業は利益面でかなり厳しい状況だ。
 
 「確かに楽ではない。これまでは低単価商品をフックにして新規顧客を獲得する、というやり方を進めてきたわけだが、低単価商品の構成比に関して、やや行き過ぎた部分があるので、単価の高い商品の構成比を上げていきたい」
 
──今期の若年層向け事業売上高はほぼ横ばいの180億円を予想しているが、利益面はどうなるのか。
 
 「上げる形に持っていきたい」
 
──ネット販売売上高は、同20・4%増の153億5000万円と好調だった。新たな取り組みを実施したのか。
 
 「今までやってきたことをブラッシュアップした形だ。ただ、他業種とのタイアップやコラボレーションは増やしており、今期も進めていきたい。ネットに関しては、新規を獲得するために広告を打つというのはトレンドではなく、自社事業とバッティングしない企業と共同でページを作ったり、カード会社や航空会社などとタイアップしたりすることで新規を取ってくる、というのが流行になっている」
 
──スマートフォン経由売上高が伸びている。
 
 「計画を上回るペースだ。現在はネット販売売上高のうち30%弱がモバイル経由で、このうちスマホが60%を占めている。特に、ここ半年の伸びは急激だ」
 
──スマホ向けサイトで工夫している部分は。
 
 「当社の主力顧客はミセス層だが、フューチャーフォンの動線に慣れている顧客も多い。そこで、こうした部分も少し残すようにしている」
 
──今期のネット販売売上高は155億円で微増にとどまる予想だ。
 
 「今後はネット販売を単独の販売チャネルとして見ずに、カタログと融合した形にしていく。今期はそのための準備や充電の期間としたい。具体的には体制の変更やシステムの刷新を実施する。来年の今頃は、恐らくネット販売売上高のうち、スマホ経由が50%超ということになっているだろう。それに対応するため、システムも構造を変えてスマホ中心にしていく。業務フローをスマホ優先にしないと確実に出遅れる」
                                            (つづく)

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