健康食品の素材として知られる「スピルリナ」を使った発展途上国支援の取り組みが注目されつつある。支援を行うのは、アライアンス・フォーラム財団。健食素材を使った社会貢献事業は珍しく、健食産業に携わる企業にとって、コーズマーケティングとして取り組むことができる可能性も秘めている。財団では途上国の継続支援に向け、企業の協力も呼び掛けている。
「スピルリナ」は、地球に約30億年前に誕生した藻の一種。熱帯地方の湖に生息し、タンパク質が豊富なことからアフリカの一部地域などでは古くから食糧源として重宝されてきた。国内でも健食素材や天然色素など幅広い分野で利用されている。
アライアンス・フォーラム財団では、その特徴に着目。2008年、スピルリナの普及を目的とした国連関連機関「IIMSAM(イムサム)」と連携して途上国の栄養不良や飢餓の撲滅を目的とする「スピルリナ・プロジェクト」を立ち上げた。アフリカ南部に位置するザンビア共和国でスピルリナを提供し、将来的に現地で地産地消できる水準まで高めることで、途上国支援を行うというものだ。
アフリカ大陸は世界中で最も飢餓問題が深刻な地域。その原因は食糧不足と捉えられがちだが、その実態は異なる。
ザンビア共和国郊外の農村部では、トウモロコシの粉を水で練った食物が主食。そのため、炭水化物は十分に摂れており、「実際はビタミンやミネラル、タンパク質など『栄養の偏り』が問題となっている」(中内綾途上国事業部門長)という。そのことが免疫機能に影響を与え、病気の原因になっている。もともとアフリカに自生していたスピルリナは現地生産になじみ、加えて飢餓問題の解消にもつながることが期待される。
財団ではプロジェクトを立ち上げて以降、紆余曲折を経て政府の輸入許可を取得。11年に現地での提供にこぎ着けた。
現在は、80人規模のコミュニティスクールで給食などに利用されているほか、12年には、WHO(世界保健機関)の指標に基づくスピルリナの機能性調査も実施。摂取の有無で身長差が表れるなど、栄養改善が進んでいることが確認された。現地になじみやすいレシピ開発や機能を伝えることで、食事に保守的でなじみのない食物を口にしない現地の人々の理解を徐々に得てきた。
今後は、スピルリナの生産・提供を受けるDIC(旧大日本インキ化学工業)と共に、生産設備の技術移転を計画。食糧源を提供するだけでなく、現地で地産地消が行えるまで自立を支援していく。将来的には、現地の食品加工メーカーや海外への販売で社会貢献型ビジネスモデルの確立も目指している。
財団では継続的な支援行っていくため、プロジェクトに賛同する企業とも積極的にパートナーシップを築きたい考え。健食や食品としての利用増加を通じてスピルリナの認知を高め、「アフリカにおける支援活動が見える形で食品に使ってもらいたい」(同)と、企業のコーズマーケティングにも協力していきたいという。すでにザンビア以外の国からも支援が要請されており、途上国支援の活動の拡大を目指していく。
アライアンス・フォーラム財団では、途上国支援のほか、バングラディシュやザンビアにおける企業の参入支援も行っている。
「スピルリナ」は、地球に約30億年前に誕生した藻の一種。熱帯地方の湖に生息し、タンパク質が豊富なことからアフリカの一部地域などでは古くから食糧源として重宝されてきた。国内でも健食素材や天然色素など幅広い分野で利用されている。
アライアンス・フォーラム財団では、その特徴に着目。2008年、スピルリナの普及を目的とした国連関連機関「IIMSAM(イムサム)」と連携して途上国の栄養不良や飢餓の撲滅を目的とする「スピルリナ・プロジェクト」を立ち上げた。アフリカ南部に位置するザンビア共和国でスピルリナを提供し、将来的に現地で地産地消できる水準まで高めることで、途上国支援を行うというものだ。
アフリカ大陸は世界中で最も飢餓問題が深刻な地域。その原因は食糧不足と捉えられがちだが、その実態は異なる。
ザンビア共和国郊外の農村部では、トウモロコシの粉を水で練った食物が主食。そのため、炭水化物は十分に摂れており、「実際はビタミンやミネラル、タンパク質など『栄養の偏り』が問題となっている」(中内綾途上国事業部門長)という。そのことが免疫機能に影響を与え、病気の原因になっている。もともとアフリカに自生していたスピルリナは現地生産になじみ、加えて飢餓問題の解消にもつながることが期待される。
財団ではプロジェクトを立ち上げて以降、紆余曲折を経て政府の輸入許可を取得。11年に現地での提供にこぎ着けた。
現在は、80人規模のコミュニティスクールで給食などに利用されているほか、12年には、WHO(世界保健機関)の指標に基づくスピルリナの機能性調査も実施。摂取の有無で身長差が表れるなど、栄養改善が進んでいることが確認された。現地になじみやすいレシピ開発や機能を伝えることで、食事に保守的でなじみのない食物を口にしない現地の人々の理解を徐々に得てきた。
今後は、スピルリナの生産・提供を受けるDIC(旧大日本インキ化学工業)と共に、生産設備の技術移転を計画。食糧源を提供するだけでなく、現地で地産地消が行えるまで自立を支援していく。将来的には、現地の食品加工メーカーや海外への販売で社会貢献型ビジネスモデルの確立も目指している。
財団では継続的な支援行っていくため、プロジェクトに賛同する企業とも積極的にパートナーシップを築きたい考え。健食や食品としての利用増加を通じてスピルリナの認知を高め、「アフリカにおける支援活動が見える形で食品に使ってもらいたい」(同)と、企業のコーズマーケティングにも協力していきたいという。すでにザンビア以外の国からも支援が要請されており、途上国支援の活動の拡大を目指していく。
アライアンス・フォーラム財団では、途上国支援のほか、バングラディシュやザンビアにおける企業の参入支援も行っている。