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このルール検討会は、法律や薬学などの学者のほか、薬業やネット販売、消費者の各団体関係者など18人の委員で構成。厚労省によると、公正な議論を行うため委員の構成に配慮したという。
冒頭、挨拶に立った田村憲久厚生労働大臣は、最高裁の判決を受け、医薬品・通販ネット販売のルール作りのために同検討会を設置したとした上で、「一般用医薬品については、利便性が叫ばれる一方、薬害被害者を中心に情報提供と安全性をしっかりと確保してほしいという声もある。共通の認識を持ってなるべく早く方向性を示してもらいたい」と語った。
続いて事務局側から検討会設置の目的、医薬品通販・ネット販売規制の概要、最高裁判決の要旨などの説明の後、議論の進め方や範囲などについて意見交換が行われ、日本オンラインドラッグ協会(JODA)の後藤玄利理事長が参考人を呼び最高裁判決のポイントや判決で言及している憲法(職業活動の自由)に関する説明を受け、議論の進め方を整理してもいいのではないかと提案した。
これは今後の議論に向け、委員間で検討会設置の土台となる最高裁判決の共通認識を持つことを狙ったものだが、日本医師会の中川俊男副会長が「事務局の説明で十分なのではないか」とするなどネット販売慎重派から異論が噴出。また、日本チェーンドラッグストア協会の森信理事が「話合いの中の材料として医療用医薬品や処方薬が違法にネットで売られている現状があることも参考にして議論すべき」としたのに対し、後藤理事長が「今回の論点とは関係なく、きちんとした薬局がネット販売をできるかという論点と違うところに入ってしまう」と反論するなど、ネット販売推進派と慎重派のつば迫り合いも見られた。
一方、2009年に設置された「医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会」の委員だったJODAの後藤理事長は、ルール検討会の初会合の感触について、「意見がかみ合わないような印象もあったが、しっかりと話をしていけば合意できるはず。論点が拡散しておらず絞れていると思う」と評価。一方で、「以前の(検討会)ように対面ありきの前提でネットとの優劣論に陥ることが一番困る」とする。
事務局の厚労省では、今後、月1、2回ペースで会合を開催する考え。ある薬業関係者は今後の議論について、第1類医薬品の取り扱いが焦点になるのではないかと予測。また、ルールの枠組みが省令の改正になるか、薬事法の改正にまで踏み込むかは、検討結果の内容によるが、厚労省としては、早期に検討会に検討結果をまとめ、5月末の経過措置期限切れに間に合わせる形で省令を改正するのではないかとする見方も浮上している。