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TMJ(旧テレマーケティングジャパン)が進める"コール以外"の戦略が「バックオフィス」系業務の強化だ。バックオフィス業務とは、企業内における事務処理業務や管理業務など、いわば「裏側」の部分。それだけに、いかに生産性を高め効率化できるかが求められる。テレマーケティング市場ではここ数年で急激に拡大しつつある分野で各社が続々と参入しているが、「新たな柱」として特に本腰を入れて取り組んでいるのがTMJだ。専用の組織を設立し、生産性向上のための研究に着手。強みの業務改善力を活かし、コールセンターの周辺業務の設計などを手がけていく。現在、すでに売り上げの「約25%は占めている」(TMJ)。今後は3年計画で強化していき、2015年までに国内を対象とした売り上げの4割をバックオフィス業務にする構想を描いている。
同社は今年4月にバックオフィス業務の軸となる存在として「BPR推進室」を開設。柱とするのはコールセンターの周辺業務で、例えばデータ入力や入会審査などクライアントが外部に出しづらくハードルが高い業務を可視化し、受託可能な部分にして切り出すのが基本的な戦略だ。重要なのは「いかに単純化できるか」(同)。シナリオを作り、業務をオペレーターが担当しやすい形に単純化して設計することで生産性向上を実現していく。
通販系クライアントからのバックオフィス需要もあるとみる。通販で「入り口」となるのはコールセンターだが、その後も決済業務やデータ入力業務、物流業務まで必要な業務は多い。そこをワンストップで提供することもできるわけだ。例えば、海外に進出する際にトータルでフルフィルメント業務を任せることで、クライアントは「いいものを作ることに集中できる」(同)などのメリットがある。
すでに同社では、丸紅と連携して、資生堂が中国で展開しているネット販売事業のコールセンター業務やバックオフィス業務を担当。中国子会社を通じてシステム構築から決済、カスタマーサービスまで幅広く通販業務をサポートしている。
同社がバックオフィス業務を短期間で拡大してきたのは親会社のベネッセの存在も大きい。ベネッセの発行物の編集業務を請け負う中で、業務を集約して専用のセンターを作るなど、一定規模の業務を処理する能力が備わった。現在はベネッセ以外も既存クライアントが中心だが、今後は新たなクライアントへも提案していく計画だ。
同社の前期売上高は約250億円。バックオフィス業務はそのうちの70億円近くを占めるまで成長している。2013年3月期の売上高は250億円台後半を見込んでおり、その積み上げはバックオフィス業務が貢献すると予測。「バックオフィス事業は市場が大きい。今年から本格的に伸ばしていく」(同)と意気込みをみせる。
最終的な目標は「コールセンター業務と同規模まで成長させる」(同)こと。コールセンターとバックオフィス系の二本柱で受託を開拓していく構えだ。 (連載おわり)