通販専門放送を行うＱＶＣジャパン（本社・千葉市美浜区、ジョン・トーマス会長兼ＣＥＯ）は６月１日、高級車「ベンツ」のテレビ通販を実施した。同日は都内のメルセデス・ベンツの店舗から生中継で２８３万円の特別仕様車を紹介した。番組放送後の顧客からの反応も上々だった模様で、放送直後の段階で20件の問い合わせが入るなど一定の手ごたえを得たようだ。今回の結果を見ながら今後もベンツを含めて車の通販を継続していきたい考えのようだ。

ＱＶＣが６月１日午前10時および午後１時からの１時間番組で紹介したのはメルセデス・ベンツの特別仕様車「メルセデス・ベンツ　Ａ１８０　ＦＩＮＡＬ　ＥＤＩＴＩＯＮ」（価格２８３万円）。

　メルセデス・ベンツが通販ルートで車を販売するのは初めて。同社では新規購入層の獲得のため、「従来の敷居の高いイメージを払拭する活動をここ数年、積極化させており、その一環」（メルセデス・ベンツ日本広報）でＱＶＣでの販売を決めた。

　一方、ＱＶＣでもこれまで車を取り扱った実績はないものの顧客に富裕層も多く、ニーズがあると判断したことに加え、取り扱う商材やブランドの拡充という観点から「ベンツ」の取り扱いを決めたという。

　ＱＶＣが番組で紹介した特別仕様車はベンツの販売店などで５月末から３００台限定で販売されているもので、その中からＱＶＣ用に５台を確保。「ＱＶＣご紹介特別プラン」という形で２万円相当の特典（カフスリング、携帯ストラップ、レジャートートバッグ、ぬいぐるみ、ハンドタオイル、マグカップ）をつけて販売したもの。

　番組では東京・六本木のメルセデス・ベンツの店舗「メルセデス・ベンツ　コネクション」からの生中継でメルセデス・ベンツの担当者とＱＶＣ側のナビゲーターが登場し、販売する特別仕様車のスペックや特徴などを詳しく説明。また、番組中に試乗を行い、乗り心地など生の感想を伝えた。

　なお、「ベンツ」はＱＶＣが直接販売するのではなく、顧客からの電話を受け、顧客情報などをベンツ側に伝達、実際の契約は全国に約２００店舗あるベンツの正規販売店の中から顧客に最寄りの店を紹介し、そこで行う仕組み。ＱＶＣでは販売台数に応じた手数料を得るようだ。

　番組放送後、顧客からの反応は上々だったようで、午前と午後に放送された「ベンツ」の紹介番組が終了した直後の同日午後３時の時点で、「約20件のお問い合わせを頂いた」（ＱＶＣジャパン広報）としており、一定の手ごたえを得たようだ。継続的な販売についてＱＶＣでは「初回の反応などを分析した上で決めたい」としている。

　なお、車のテレビ通販についてはすでにジャパネットたかたが昨年12月から電気自動車の販売を実施している。