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楽天、都内で食品宅配開始へ――7月から、板橋・豊島・北・練馬で

2012年 4月19日 17:40

2men.jpg 楽天は7月から、食品宅配サービスを開始する。野菜や果物、米のほか、鮮魚や惣菜、菓子などに加えて、「楽天市場」の人気商品を販売する。まずは東京・板橋区と豊島区、北区、練馬区の4区で展開し、順次エリアを拡大する。楽天はこれまで子会社のネッツ・パートナーズを通じてネットスーパーのモールを展開してきた。楽天の食品宅配参入はネットスーパーと一部競合するとみられ、出店者の反発を招く可能性もありそうだ。

 楽天の食品宅配サービスは「楽天マート」という名称で7月からスタートする。運営会社は楽天の100%子会社の楽天マート(本社・東京都品川区、橘田尚彦社長)となる。

 取り扱い商品は生鮮品や加工食品、たまごやパンなどの日配品のほか、ベビー用品などの雑貨となる。トマトやりんごなどは1個から購入できるほか、加工食品は1人分の小サイズで展開する。用途や家族構成に合わせて購入できる。

 商品は放射能検査をクリアした野菜のほか、DNA鑑定を行った米を販売し「安全・安心」で訴求する。産地は県単位で表示するほか、生鮮食品は注文後にカットして鮮度を維持する。

 また、楽天市場の人気商品の販売も予定している。催事イベント「楽天市場うまいもの大会」に出店した店舗のスイーツを1点から購入することができる。

 ネット販売のほか、週刊カタログや季節カタログ、イベントカタログを発刊して電話受注に対応。「楽天レシピ」と連動してレシピを再現した惣菜や、必要な食材を組み合わせたセット商品を提案する。楽天マートの利用で楽天スーパーポイントを付与し、楽天市場との連携も行なう。

 楽天マートの利用は月額210円を徴収。月間購入金額に合わせて無料とする優待サービスを用意するほか、高齢者や小さな子供がいる家庭は月額費用を半額とする。

 配送料金は3000円以上の購入で無料とし、当日24時までの注文分を、翌日(月曜~土曜日)17時までに配達する。専任スタッフによる配送を行い、ペットボトルやトレーなどの資源ごみを回収するリサイクルサービスも行う。

 楽天は2010年3月にネットスーパー支援を行うネッツ・パートナーズ(本社・東京都品川区、橘田尚彦社長)を買収し、「楽天ネットスーパー」の展開を開始。現状、マルエツや紀ノ国屋、東急ストアなど5店舗が出店している。その「楽天ネットスーパー」と、今回の楽天自らが行なう食品宅配事業「楽天マート」は一部競合となりそうで出店するスーパーの反発を招きかねない。ネットスーパーと食品宅配の差別化について楽天では「回答できない」(広報)としている。
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