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高島屋  ネット販売強化が結実、新体制は上々の滑り出し

2012年 2月16日 13:52

 3-1.jpg高島屋のクロスメディア事業部は、今下期(2011年9月~12年2月)も食料品分野を中心にネット販売事業が業績を押し上げている。昨年2月に初めてネット販売専任バイヤーを配置するなど、ネット強化で臨んだ新体制は上々の滑り出しとなったようだ。

 上期については震災後の消費者ニーズを捉えて「安心・安全」や「家族・絆」「防災・備蓄」をキーワードにした品ぞろえ強化が奏功した高島屋。

 今下期は、百貨店通販の2大商戦である「歳暮」と「おせち」でもネット強化が実を結んだ。

 歳暮では、"心に残る名店の味"をコンセプトにブランドヒストリーなどをしっかりと伝えるコンテンツを作成したところ、「よく吟味して買いたいという消費者に響いた」(青木和宏クロスメディア事業部長)という。

 また、昨年11~12月には初となるテレビCMを放映。CMでとり上げた長崎の洋菓子が、通販サイトで扱う歳暮商材の中で有名メーカーのビールを抜いてベストテン入り(数量ベース)するなどマス広告の効果もあり、ネット販売は前年比15・4%増を記録。大型店のギフトセンター並みの売り上げを達成した。

 おせちでは百貨店の信用が追い風となった。品ぞろえの拡充やブロガーを招いた試食会を実施したこともあり、やはりネット受注が急伸した。

 一方、差別化できる通販商材として強化している"味の再現シリーズ"では、昨年11月に石原軍団の炊き出しメニュー(カレー、とん汁)を商品化。紙媒体やテレビ局へのパブリシティー戦略がはまったこともあって大ヒットし、今年2月22日には炊き出しメニューの第2弾も予定する(7面に関連記事)。

 さらなる食料品の強化に向けては、3月6日から幕張メッセ(千葉市)で開催される食料品の展示会「FOODEX JAPAN」にクロスメディア事業部としてブースを構える。通常、メーカーや生産者側が出展するが、同社では全国から産品が集まる場を活用して"逆商談会"を仕掛ける。

 展示会の事務局を通じて投げかけたところ、80件以上の申し込みがあったようで、開催当日に専任バイヤーが目利きし、気になる商品があれば通販サイトで販売する。

 同社はサイト上で展開する「厳選おいしいものお取り寄せ」で約900点の食料品を扱っているが、今後、2000点程度まで拡充したい意向で、商材の開拓を進める。

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