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フェヴリナ・神代亜紀社長に聞く、経営建て直しへの一手は? オペレーターの声活用、3年後売上高50億円へ

2012年 1月12日 13:45

業績低迷が続く化粧品通販のフェヴリナでは昨年10月末、神代(こうじろ)亜紀社長が就任した。10年前までは専業主婦、エバーライフ入社後にオペレーターとして頭角を現したという異色の経歴を持つ新社長。同社は2009年3月期をピークに売り上げが減少しているほか、11年3月期には最終赤字に転落。12年3月期も大幅減収は避けられない見通しだが、新社長のキャリアをバネに再生を目指す。経営再建に向けた手腕をどう発揮するのか。今後の戦略を神代社長に聞いた。
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――経歴からお伺いしたい。

 「2001年、43歳の時にアウトバウンドを手掛ける『カスタマーフレンド』としてエバーライフに入社した。それまでは主婦業に専念しており、オペレーターの経験も営業の経験もまったくなかった」

 「そこで、営業成績上位のオペレーターの、電話でのやり取りを記録したカセットテープを繰り返し聞いて『どうすればお客様が心を開くか』ということを学び、実践した。その結果、営業の数字を上げていくことができた。その後、新人のオペレーターを指導することになり、営業の時間は減ったが、成績は保ち続けた」

 「エバーライフが化粧品を手掛けることになった際、新ブランド『フェヴリナ』のコールセンターのチーフとして異動した。高級路線の化粧品として『ナノアクア』を売りだしたのだが、当初はインフォマーシャルを使ってもなかなか売れない状態だった」

――その後、化粧品部門は「フェヴリナ」として分社化した。

 「3期目に売上高9億2000万円、利益も出た。1年分の購入で3割引きにするなど、まとめ買い割引制度を導入することで売れるようになったと思う。ただ、最近はクレジットカードの規制が厳しくなったこともあり、定期コース中心に移行した。その影響で販売単価が下がっている」

――2009年3月期には売上高が27億円に到達した。

 「07年に発売した『ジェルパック』のピークが来たことが大きい」

――その後、売り上げが下降し、前期は最終赤字となった中での社長就任となる。

 「第1期を除けば、単体では初の最終赤字だ。ここまで数字が落ち込むと、空気を一新する必要がある」

――社内やコールセンターの雰囲気も悪くなっていた。

 「そうだ。遠藤英樹前社長も忸怩(じくじ)たるものがあったと思う」

――社長交代には、エバーライフ創業者で、現在もフェヴリナの大株主である井康彦元社長の意向もあったのでは。

 「井氏は経営にはほとんどタッチしていない。ただ、何かを変えなければならないとは感じていたと思う」

――赤字の原因はどこにあるのか。

 「マーケティングの問題だと思う。3年間新規顧客が増えておらず、ボディーブローのように効いている。当社は高級化粧品が主力だが、デフレが進む時代とのズレがあった。『ジェルパック』ピーク時は新規顧客も順調に増えていたが、競合他社から類似商品が多数発売されたことも大きい」

 「ただ、最近は低価格商品を投入し、マーケットの声に耳を傾ける方針に転換している。3990円の『ウォータークレンジングジェル』という、当社としては低価格商品のインフォマーシャルを9月から放映しているが、新規顧客が増加中だ」

――その他の商品戦略は。

 「『7GFセラム』という美容液も売れている。これは1万5750円という高い商品ではあるが、メディアでは宣伝していない。カスタマーフレンドがおすすめするアップセル商品で、非常に好評だ。『化粧水の前につける』という点が差別化ポイントとなっており、リピート率も高い」

――ビジネスモデルに変更はあるか。

 「それはない。顧客とカスタマーフレンドとの『絆』を重視するのが当社の強みだ。ただ、アウトバウンドを望まない顧客がいるのも事実なので、ネット販売の活用など、ニーズに合わせた対応を取らなければならない」

――受注ツールの比率は。

 「電話が9割、ネット販売が1割だ。電話のうち、アウトバウンドが8割、インバウンドが2割。顧客の主力層は50代女性となる」

――黒字転換の見通しや、今後の目標売上高は。

 「単月黒字化は今期中に、通期黒字化は来期果たしたい。ただ、黒字にするのは媒体費を削れば簡単だが、それでは新規が増えずにジリ貧だ。局の選び方も重要だろうし、低価格商品で獲得した新規に対し、何を販売していくかも重要だろう。顧客が何を望んでいるかを読み取るため、現在は商品開発や販促などにカスタマーフレンドの意見を取り入れている」

 「売上高に関しては、2013年3月期は20億円に戻し、15年3月期には50億円台に乗せたいと考えている」
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