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今上期のリテール事業(国内)では、自社運営のPCの本サイトのほかyahoo支店、楽天支店など各チャネルとも2桁増の売り上げとなったが、特に目立ったのは楽天支店の伸びだ。上期累計の売上高は約36億円で、前年同期比50%弱の増加。構成比も約49%と最も高く、本サイトを10ポイント近く上回っている。
また、その他に分類されるチャネルも上期累計の売上高が前年同期比5倍増の4億2700万円と高伸したが、これをけん引したのが「楽天24」。楽天24の売上高は上期累計で2億8100万円だが、特に第2四半期(単体)が2億4000万円と急増。楽天支店、楽天24ともに、ミネラルウォーターの拡販で売り上げが伸びたという。
半面、利益面では苦戦が続いた。その要因のひとつは送料無料ライン引き下げに伴う購入単価の下落だ。受注件数の増加で売り上げ自体は高伸したが、一方で、発送関連費用などが増加。上期の販管費は前年同期比42・5%増の30億8700万円、売上高販管費率36・4%と2・3ポイント上昇し利益を圧迫した。
また、海外から輸入したミネラルウォーターの不良在庫化という震災特需の見誤りも響いた。同社では震災発生直後の品薄状態が当面続くと見て、ミネラルウォーター109万ケース(500ミリリットル×24本入り)を輸入したが、実際の商品が入荷した5、6月頃には、水の供給が安定化。結果、過剰在庫となったミネラルウォーターの値下げ販売を余儀なくされ、ミネラルウォーター関連で約3億円の損失になった。
今上期は、震災特需などから売り上げは順調に拡大したが、同時に利益面での脆弱さが際立った形で、同社としても下期は、売り上げの拡大とともに"利益体質"強化にも力を入れる考え。
まず、売り上の面では、取扱商品数を上期末時点の15万アイテムから17万アイテムへ拡充するほか、「楽天24」や「アマゾン@マーチャント」などの活用、スマートフォンやフェイスブックの対応を積極化。商品の拡充および顧客との新たな接点作りで売り上げの拡大につなげる狙いで、同時に、これまで引き下げ競争の様相を呈していた送料無料ラインも固定化し、購入単価の安定化を図る。
一方、利益面では、変動費を中心としたコスト構造の見直しで利益率の安定化を図る方針で、仕入原価や物流費用、販促費用などの見直しを進め、下期単体での営業黒字化(4800万円の利益)を目指す意向。通期の連結業績は、売上高が前期比34・0%増の176億5400万円、営業損失3億9000万円、経常損失4億4200万円、当期純損失4億7300万円を予想する。