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国民生活センター(事務局・東京都港区、野々山宏理事長)がまとめた2010年度の消費生活相談で「通信販売」に関する相談件数は3・1%減の24万1334件となった。架空請求の減少が要因。国センによると物販についてはネット販売やネット競売、テレビ通販に関する相談が増加傾向にあるものの、カタログ通販やDMなどの相談件数は減少しているという。相談内容を見ると購入した商品が届かないとする苦情や、返品に関するトラブルが目立った。
通信販売のうち「ネット販売」に関する相談が11万6480件で、このうち約85%が情報サイトやデジタルコンテンツの架空請求となる。
物販では婦人服や靴など衣料品に関する相談が最多で698件だった。主な相談内容は「インターネット通販でスカートを注文。返品特約を確認し7日以内に申し出たが対応してくれない」や「1カ月前に注文したワンピースが届かない。解約したい」、「通販で購入したワンピースのウエストのゴムが伸びていた。交換を申し出たが在庫が無いとして応じてくれない」などがあった。
「テレビ通販」に関する相談件数は2238件。主な相談内容は「テレビ通販で購入した健康食品が効かない。定期購入を止めたいと伝えたが断られた」や、「テレビ通販でモップを購入したが宣伝と異なるため返品したい。過剰な宣伝を指導して欲しい」などがあった。
「ネット競売」に関する相談件数は4315件だった。主な商品は「四輪自動車」が327件、「かばん」が207件、「婦人洋服」が189件だった。「代金を支払った商品が届かない」、「届いた商品に不具合が見つかったため解約したい」とするケースが多いようだ。また、高額な落札手数料が請求されたとしてペニーオークションに関する苦情が増えた。
化粧品危害情報増え、3000件超に
国民生活センターがまとめた2010年度の危害・危険情報件数は前年度比7・4%増の1万2701件だった。身体に危害を受けた危害情報は同4・6%増の3595件で、危害が発生する恐れのある「危険情報」が同13・6%増の4106件。危害情報では「化粧品」が増加した一方で、「健康食品」は減少した。
危害情報のうち「化粧品」は前年度比1・7%増の649件だった。内訳は「化粧品セット」が94件、「化粧品クリーム」が70件、「化粧石けん」が67件だった。危害内容としては「皮膚障害」が538件で、「その他の傷病及び諸症状」が87件となった。
「健康食品」は前年度比7・8%減の423件。体調がすぐれない、気分が悪い、痛みがあるなどの症状がみられた。
危険情報が最も多かったのは「住居品」で、1637件だった。「電子レンジ」が前年度比8・0%減の115件、「テレビ」が17・7%増の113件だった。発煙や火花の発生が目立った。「家具類」は同21・1%増の103件で、破損や折損によるものが多かった。そのほか「自転車」が同26・1%増の111件で、破損などの危険情報があった。