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2024年 3月22日 12:00
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新客獲得に折り込み重視、PB化粧品で単品通販も
――足元の印刷インクの状況は。
「震災後、インクは溶剤不足から5月で在庫がなくなるという話が出たため、媒体計画の見直しも考えた。ただ、代替品の手当てがついたということで、現在は心配する状況にはない」
――震災後の業績は。
「3月の売上高は前年を14%割り込んだが、4月は8%減、5月が5%弱のマイナス、6月は前年並みに戻している。売り上げは落ちたが、一定の利益は確保できるように対応した」
――具体的には。
「当社はカタログの頻度が多いが、震災直後は発刊時期を遅らせたり、利益率の低い媒体を中心に部数を減らして経費削減に努めた。無理に売上を追わず、精度と効率を重視した結果、利益面は大きな影響を受けずにすんだ」
――投資については。
「3月は新規客の獲得を狙った折込みを減らしたが、4月下旬には全面的に再開し、4~6月の3カ月で前年の投資水準に戻した。守り過ぎて新客の獲得が滞ると、来年の売上に影響する」
――今期の着地点は。
「11年6月期の着地は、売上高が出荷ベースで前年の281億円に対して272億円程度になりそうだ。経常利益は前年の19億6000万円に対し、約17億円を見込んでいる」
――来期は攻めるのか。
「当社顧客の数%が東北の方だ。名簿を前年の水準に戻すために、折込みを増やして新規獲得を進めたい。少しくらいCPOが悪化しても取り組まなければいけないが、電気の問題や全体的な消費意欲の落ち込みもあり、状況を見極めて判断する」
――先行き不透明だ。
「いろいろな現象に対し、こまめに軌道修正する。実際に、原発の影響でカタログを送付できない地域も変化している」
――増収増益を目指す。
「11年6月期は前年実績を割り込むので、来期は増収増益にもっていきたい。ただし、数字に固執しすぎると判断を誤りかねない」
――単品通販の取り組みは。
「自社PBの化粧品シリーズとして『一花(ひとはな)』というブランドを作った。基礎化粧品ではなく、シワ隠しなどお悩み解消系の商品を数種類展開している。現状では自社媒体に商品を掲載したり、媒体にチラシを同梱している。アウトバウンドをするほどの品ぞろえにはなっていないが、将来的にはアウトバウンドも含めて、いろいろな販売手法を試す。単品通販は訴求ポイントが肝。消費者の心に響けば一気に広がる可能性がある」
――カタログ企業の動向をどう見ている。
「新しい技術やデバイスの登場、ネット化の流れもあり、若い層に軸足を移そうという動きもある。ただ、当社としては、高齢者層はまだ数年の間は新規開拓できると考えている。60歳以上の定着率が高い消費者の囲い込みを優先する」