"住所や名前"不要の通販、「おみせdeツーハン」ディノスなどが参加へ
「住所」も「名前」も不要の通販?。コンビニチェーンを展開するサークルKサンクス(本社・東京都中央区、中村元彦社長)が店舗網と店頭端末を活用した一風変わった通販サービス「おみせdeツーハン」を開始する。
2月14日から全国の「サークルK」と「サンクス」の店舗に専用通販カタログを設置。顧客はその中で気に入った商品を同じく店内にある店頭端末で注文、店のレジで代金を支払うと後日、商品が当該店舗に届き、いつでも受け取れる仕組み。サークルKサンクスは来店促進策としても期待する。
この通販サービスの"売り"は注文時に自宅の「住所」や「名前」などの個人情報の入力が不要なこと。通販は買い物の1つの手段として一般化しているが、やはり、「通販を利用しない層」というのは確実に存在する。理由は様々だろうが、1つには個人情報を第三者に開示することへの抵抗感などもあるかも知れない。
「おみせdeツーハン」が通販の1つの形として定着するかどうかはスタート前の現時点では未知数だが、これまで獲得しえなかった顧客層を開拓できる可能性はありそうで、すでにディノスや化粧品通販を行うアイムなど複数の通販企業が「おみせdeツーハン」用のカタログを用意することを決めている。他の通販各社もその行方を注視しておく必要はあるかもしれない。
「おみせdeツーハン」は全国に展開する「サークルK」と「サンクス」のコンビニ店舗のうち、店頭マルチメディア端末「カルワザステーション」を設置している約6000店で開始する。
対象店舗は店内の専用コーナーに通販カタログを設置。その通販カタログを見て気に入った商品があった顧客は「カルワザステーション」でカタログに記載されている商品番号と注文数、配達の遅れなどトラブル時のための連絡用として電話番号を入力後、注文内容と配達予定日などが印刷された受付票を受け取り、店内のレジで商品代金を支払い、引き換えチケットを受け取る。その後、注文商品が最短3日で当該店舗に届けられ、顧客は好きな時間にいつでも引換えチケットと交換で商品を受け取ることができる仕組みだ。
通販カタログを設置する店内の専用コーナーでは常時2~4つのカタログを置き、半月または1カ月で入れ替えを行う予定だという。
2月14日のスタート時点ではディノスとサークスKサンクスの通販子会社のときめきドットコムがそれぞれ専用通販カタログを用意して約30点の商品を販売する。
ディノスはティッシュやトイレットペーパーを入れる「ペーパーPot」(2835円)などのインテリア小物を販売。ときめきドットコムは「LEDバックライト19型液晶テレビ」(1万9800円)や「京商1/43スケールミニカー」(4750円)など家電や趣味系雑貨などを販売する。なお、ときめきドットコムでは「おみせdeツーハン」専用のカタログを毎月発行する予定としている。
3月からはイマージュグループのアイムも参加してオリジナル化粧品「ライスフォース」のトライアルキット(1890円)などを展開。名古屋テレビも3月から愛知・岐阜・三重の3県の店舗のみの限定ながら、名古屋発のキャラクター「ぬいぐるみのラパン」の関連グッズである「ラパンぬいぐるみ」(1600円)、「文具セット」(1660円)を販売する予定。なお、4月からはアイリスオーヤマが参加。回転モップなどの掃除用具や家電などを販売するという。
今回のサークルKサンクスの試みが新しい通販の形として定着するかは現状、何とも言えないところ。過去にも若干、形は異なるものの、他のコンビニチェーンでも店頭端末を使って、通販企業の商品を注文できるようするサービスなどもあったが結局、店頭端末で商品を注文する必然性がなく、あまり浸透しないまま、頓挫してしまった経緯がある。
ただ、今回の場合は住所や名前などの個人情報の入力が必要ないという点がユニークで、個人情報の開示に懸念を示し、普段は通販を利用しない層を獲得できる可能性もある。
また、コンビニ店頭の目立つ位置にカタログが設置されることで副次的に新規顧客開拓につながる可能性もある。そういった点からも通販各社は行方を注視する必要がありそうだ。
そのほかの注目記事FEATURED ARTICLE OTHER
2月14日から全国の「サークルK」と「サンクス」の店舗に専用通販カタログを設置。顧客はその中で気に入った商品を同じく店内にある店頭端末で注文、店のレジで代金を支払うと後日、商品が当該店舗に届き、いつでも受け取れる仕組み。サークルKサンクスは来店促進策としても期待する。
この通販サービスの"売り"は注文時に自宅の「住所」や「名前」などの個人情報の入力が不要なこと。通販は買い物の1つの手段として一般化しているが、やはり、「通販を利用しない層」というのは確実に存在する。理由は様々だろうが、1つには個人情報を第三者に開示することへの抵抗感などもあるかも知れない。
「おみせdeツーハン」が通販の1つの形として定着するかどうかはスタート前の現時点では未知数だが、これまで獲得しえなかった顧客層を開拓できる可能性はありそうで、すでにディノスや化粧品通販を行うアイムなど複数の通販企業が「おみせdeツーハン」用のカタログを用意することを決めている。他の通販各社もその行方を注視しておく必要はあるかもしれない。
「おみせdeツーハン」は全国に展開する「サークルK」と「サンクス」のコンビニ店舗のうち、店頭マルチメディア端末「カルワザステーション」を設置している約6000店で開始する。
対象店舗は店内の専用コーナーに通販カタログを設置。その通販カタログを見て気に入った商品があった顧客は「カルワザステーション」でカタログに記載されている商品番号と注文数、配達の遅れなどトラブル時のための連絡用として電話番号を入力後、注文内容と配達予定日などが印刷された受付票を受け取り、店内のレジで商品代金を支払い、引き換えチケットを受け取る。その後、注文商品が最短3日で当該店舗に届けられ、顧客は好きな時間にいつでも引換えチケットと交換で商品を受け取ることができる仕組みだ。
通販カタログを設置する店内の専用コーナーでは常時2~4つのカタログを置き、半月または1カ月で入れ替えを行う予定だという。
2月14日のスタート時点ではディノスとサークスKサンクスの通販子会社のときめきドットコムがそれぞれ専用通販カタログを用意して約30点の商品を販売する。
ディノスはティッシュやトイレットペーパーを入れる「ペーパーPot」(2835円)などのインテリア小物を販売。ときめきドットコムは「LEDバックライト19型液晶テレビ」(1万9800円)や「京商1/43スケールミニカー」(4750円)など家電や趣味系雑貨などを販売する。なお、ときめきドットコムでは「おみせdeツーハン」専用のカタログを毎月発行する予定としている。
3月からはイマージュグループのアイムも参加してオリジナル化粧品「ライスフォース」のトライアルキット(1890円)などを展開。名古屋テレビも3月から愛知・岐阜・三重の3県の店舗のみの限定ながら、名古屋発のキャラクター「ぬいぐるみのラパン」の関連グッズである「ラパンぬいぐるみ」(1600円)、「文具セット」(1660円)を販売する予定。なお、4月からはアイリスオーヤマが参加。回転モップなどの掃除用具や家電などを販売するという。
今回のサークルKサンクスの試みが新しい通販の形として定着するかは現状、何とも言えないところ。過去にも若干、形は異なるものの、他のコンビニチェーンでも店頭端末を使って、通販企業の商品を注文できるようするサービスなどもあったが結局、店頭端末で商品を注文する必然性がなく、あまり浸透しないまま、頓挫してしまった経緯がある。
ただ、今回の場合は住所や名前などの個人情報の入力が必要ないという点がユニークで、個人情報の開示に懸念を示し、普段は通販を利用しない層を獲得できる可能性もある。
また、コンビニ店頭の目立つ位置にカタログが設置されることで副次的に新規顧客開拓につながる可能性もある。そういった点からも通販各社は行方を注視する必要がありそうだ。