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無料通販のピックアップ促進策──FM店舗のニッセン無料誌

2010年10月14日 11:09

加盟店の対応がカギ

 町中の書店などで見かける無料通販誌。新規顧客開拓の第一歩として、いかにピックアップしてもらうかがカギになるが、通販商品のコンビニ店頭受け渡しサービスを手掛けるウエルストーン(WS)がファミリーマートのEC事業子会社ファミマ・ドット・コムなどと連携し、「ファミリーマート」(FM)店舗で展開するニッセンの無料通販誌配布では、コンビニの特性を活かしたピックアップ率向上の仕掛けを盛り込んでいる。

 この取り組みは、通販およびコンビニの事情を熟知するWSがニッセン側に提案し、昨秋から展開しているもの。特徴としてまず挙げられるのは、ニッセンとFMとのコラボレーション色を打ち出した専用媒体を制作している点だ。

 現在配布中の秋号はニッセン単独の形になっているが、これまで展開してきた無料通販誌では、表紙等にニッセンとファミリーマートのブランド名を併記し、女性衣料や雑貨などニッセン商品のほか、FMが扱うが扱う店頭サービス、FDCのネット販売商品の紹介ページなどを掲載。FM加盟店からすると、設置料収入が見込める無料通販誌であると同時に、自店の広告媒体にもなるような体裁になっている。実は、これがピックアップ率を高めるためのひとつの仕掛けだ。

 コンビニ店頭では、住宅情報や求人情報などの無料誌を置いているが、それ自体で来店促進効果が望めるわけではないため、"ただ置いているだけ"ということも珍しくないが、FM店頭のニッセンの無料通販誌の場合、「ファミリーマート」のブランドが入っているため「加盟店の意識が違ってくる」(WS)。店頭サービス情報などの掲載で来店促進効果も期待できることから、加盟店側もラックでの陳列の仕方など、ピックアップされやすいよう注意を払うようになるわけだ。

 このほかにも、FMの店内BGMやPOSレジ液晶画面を活用し無料通販誌を告知するなど、「単なる無料通販誌の置き場にしないような展開にしている」(同)という。

 すでにコンビニ店頭の無料誌設置を専業とする業者もあるが、WSでは、店頭の無料誌設置や店内広告媒体を管理するFDCとの連携により、コンビニならではの特性、機能を活用した無料通販誌の展開を実現。FM各店舗への配布数や実際の新規獲得効果などは不明だが、ある程度の手応えは感じているもようで、将来的には、健康食品や化粧品などの集合無料通販誌の投入も視野に入れる。

 因みに、FMの2010年8月末における国内総店舗数は7946店(エリアフランチャイズ含む)で1日1店平均来店客数960人(既存店ベース)。このうち8割程度の店舗にニッセンの無料通販誌が設置されていると見られる。加盟店のオペレーション次第で成果が左右される面もあるが、コンビニの特性や機能を活用した通販無料誌の展開が定着・拡大するのかが注目される。


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