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イーベイジャパンの「Qoo10」 韓国食品が2年で4倍、冷凍やレトルトなども売れ筋に

2022年10月20日 11:00

 仮想モールの「Qoo10」を運営するイーベイジャパンは10月13日、韓国食品ブランドの「プルムウォン」の日本での輸入販売を手がけるアサヒコを招いて、同モール内で売り上げが伸びている韓国食品カテゴリーについての発表会(画像)を行った。

 Qoo10については昨年まで2000万人だった会員数が、この6月には2200万人まで拡大。流通総額は毎年20~40%程度のペースで増加が続いており、食品カテゴリー全体では過去2年間で1・5倍に伸長。とりわけ、韓国食品については約4倍に成長したという。

 背景には若年女性を中心に韓流ブームが定着し、SNSを通じて投稿意欲を掻き立てるような”見栄えのある”韓国グルメの人気が拡大。これまでは、インスタントラーメンや韓国海苔などが定番となっていたが、現在では冷凍食品やレトルト商品、彩りが鮮やかなスイーツ、ヘルシー食品のニーズが高まってきたという。

 今回登壇したアサヒコは、2014年に韓国食品ブランドのプルムウォンの傘下となり、日本で関連商品の輸入販売を実施。2021年8月にQoo10に出店したところ、売り上げが安定して拡大し、今年は同店舗の売上高が前年比430%まで増加した。また、モール内で開催された大規模セールの「メガ割」においては同年11月に売上高が10億円を突破し、翌年8月にはモール限定のセット商品などを取り扱って12億円を達成している。

 今年2月にはモール内でライブショッピングも実施。韓国の屋台風景を模したセットを使い、日本の著名なインフルエンサーも招いて韓国食品の紹介配信を行ったところ、同時視聴者数は最高で4万人、動画再生回数は47万回となった。

 アサヒコでは袋入りラーメンをはじめ、チヂミや餃子、チーズハットグといった冷凍食品などを販売している。今後については韓国伝統食の常温品や冷凍のスイーツなどの新商品を投入する考え。

 今年については世界的な価格高騰の中で、展開商品のいくつかで9月から11月にかけて段階的に数%以上の規模で値上げを行っているが、現状では売り上げへの影響は出ていないと見ている。

 イーベイジャパンによると、韓国の食品ブランドの中には日本展開に向けて、韓国フリークの多いQoo10で先行販売し、その後の事業展開を組み立てていく事例が少なくないとしている。イーベイジャパンとしても、韓国関連商品の認知強化に向けては、今年はイベントを通じた販促も積極展開。

 Qoo10がメインスポンサーとなり、韓国の音楽アーティストやファッションなどのカルチャーフェスティバルとして都内で開催される「KCON」において、10月14~16日までブースを出展。

 今年春にQoo10内に開設された韓国をはじめとするファッションブランドの公式ショップを集めたファッション専門サービス「MOVE(ムーブ)」のブースでは、「CHERRYKOKO」といった韓国ブランド6社と、「DHOLIC」など日本のブランド6社の合計12ブランドによる最新ファッションアイテムの展示をするほか、MOVEのテレビCMでタレントの玉城ティナさんが着用しているファッションも展示した。

 また、オンラインでの販売とライブ配信を組み合わせたライブショッピングのブースも出店して、開催期間中は、1日2回配信の生ライブを行うなど顧客参加型でイベント展開を行っている。
 
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