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全日空商事 機内食販売が125万食突破、F1層の新規開拓にも狙い

2021年12月16日 14:30

 全日空商事ではオリジナル商品が堅調に推移しており、今上期についてはANAグループで食品事業を展開するANAケータリングサービスが手がけた機内食がヒットしている。昨年12月からの累計では125万食をECで売り上げるなど話題となった。

 同商品は自社通販サイトの「A―style」のほか、ANAケータリングサービスが「楽天市場」に出店して販売も行っている。機内で実際に提供されているメニューを冷凍便で提供するもので、税込価格は12食入りで9000円となる。

 自社通販サイトでは「ANA機内サービス用品特集」として展開。機内やラウンジでの提供品をEC向けに販売しているもので、実際に機内で使用されているトレーや食器と機内食をセットにした「機内食ごっこセット」も販売するなど、コロナ禍における外出自粛の中で、自宅に居ながら”旅気分”を楽しめる演出も施している。

 冷凍で1食ごとになっており、調理の手間がなく手軽に食べられることから、テレワークなどお家需要などにも適しているという。発売からしばらくは、話題性の高さでテレビ番組でもたびたび取り上げられることがあり、その都度、ECへのアクセスが増加して完売が続出していた。現在は、ラインアップを増やすことで、受注を分散することができている。

 10月には100万食販売を記念した限定品を発売したほか、11月25日からはこれまでエコノミークラスの機内食だったラインアップに加えて、ビジネスクラスの機内食も発売。「ハンバーグステーキセット」(1万円)は、ANA総料理長である清水誠氏が開発したオリジナルハンバーグステーキと、ANAペストリーシェフの相田紀昭氏が手がけたオリジナルブレッド3種や、フランボワーズをベースとしたデザートの計3品を2人前セットにした内容となっている。

 機内食については、仮想モールでの販売も行っているため、普段、ANAのサービスを利用していない層に呼びかける商品としても効果があるという。実際に、同商品をフックに顧客層の裾野が拡大している実感があり、機内提供商品の外販化はグループ全体でも強化事業として位置付けている。

 同社の場合は、45歳~50代後半のビジネスマン男性が主要顧客だが、今後は購買力のある20代~30代前半の女性であるF1層に向けての商品開発やセグメント戦略も重要になると考えている。

 機内食は、女性からの支持を得やすい「食品」であることに加え、エアライングループとしての差別化が図れる商品でもあることから、ブランド認知を図る上で大きな武器となる。商品ラインアップの拡充だけでなく、F1層との相性が高いSNSを使った商品情報発信など、販促でも変化を取り入れていきながら売り上げ拡大を目指していく考え。

 
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