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ミドルフィールド カー用品販売で成長、中古車EC事業も立ち上げ

2019年11月25日 13:20

 カー用品などのネット販売を手がけているミドルフィールドでは、自社通販サイトの「モタガレ」(画像)を起点に販売を伸ばしている。9月からは新たに中古車のEC事業にも乗り出すなど、車に関わるビジネス領域の拡大を図っている。

 同社ではメーカーなどとも直接取引を行っており、約1300社・1500ブランドと契約し、商品数では35万点を取り扱っている。カスタマイズ向け商品が多く、エアロパーツや電子部品などが中心。サイト内での売れ筋の価格帯としては2万~5万円となっている。どの車にどのカーパーツが適合するかは、年式やグレードなど様々な条件が関わることからECではハードルの高い商材でもあったが、同社ではそのデータベースを一から作成し、問題をクリアしたという。

 また、もう一つのネックでもある商品の取り付けについては、北海道から沖縄まで全国で1000カ所の整備工場などと提携してフォロー。工場に配送してそのまま取り付けまでをサポートする仕組みができている。

 主な顧客層としては20~40代の男性で、集客に当たっては自社で製作した各種ウェブコンテンツが鍵となる。メーカーなどに取材して記事化したコンテンツの配信によるSEO対策のほか、「ユーチューブ」の活用も行っている。制作や出演まで自社で行っており、立ち上げから約1年間で7万人のチャンネル登録数を記録。メーカーとも協力して注目のカーパーツや、業界でも有名なユーザーの愛車などを紹介する内容となっている。

 直近では、ブームとなっている「キャンピングカー」について、「ハイエース」をキャンプ仕様にカスタマイズした事例などを紹介した動画が、直後に再生数で100万回を突破。紹介した商品などについては公開直後に問い合わせ数が上がるなどそこからECへの送客効果も見られるようだ。

車に関わる事業領域を拡大

 新規事業としては、9月より中古車のネット販売も開始。海外ではすでに確立されているビジネスだが、日本ではまだ事例の少ない自動車そのもののECに取り組んでいる。同社によると、大手中古車サイトでも現車確認をしないで購入を決める消費者が3割程度おり、仮に実店舗に行っても、ナンバーがついていない場合は試乗できずに見るだけで終わってしまうケースもあるという。そのため、動画などをベースに紹介してネット上で売ることを発案。開始から間もない期間ですでに売れたものもあり、問い合わせも定期的に来ているという。

 問い合わせや購入のサポートにはチャットを活用。顧客の予算や利用シーンなどを受けて、同社側でマッチする商品を提案するなど、コミュニケーションを通じて迷わない買い物体験を提供する。

 商品の調達についてはBtoBの中古車オークションを活用し、中古車事業経験のある同社の専任スタッフが担当。提携の整備工場を通じて車両に必要なケアも行っていく。

 なお、同社の売上高は右肩上がりで成長しており、今後については保険やローン、車検といった車に関わるあらゆる分野での事業展開も計画する。また、日本のカー用品は海外でも需要が高いことから越境ECにも力を入れていく考え。

 「小売りの概念が変わりつつあり、オンラインとオフラインの境目がなくなってきた。車のリテールだけがずっと変わってきていない面があるので、新しい売り方を作っていきたい」(中山CEO)とした。
 
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