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【有力企業の通販戦略 日本トイザらス㊥】 接客ツールでついで買い、当日の商品の人気度も可視化

2019年 4月25日 13:20

 玩具やベビー用品などを販売する日本トイザらスでは、自社通販サイトにウェブ接客ツールを取り入れて顧客への積極的なアプローチを図っており、途中離脱やコンバージョン率の改善を進めている。

 昨年8月に取り入れたのは、自社サイト内で訪問者の行動に応じたポップアップ表示をするウェブツールで、閲覧中の商品に関連した商品やキャンペーン情報などを画像とともに画面下に提示。ついで買いを促しているという。関連して、今年3月中旬から始めたプッシュ通知機能では、顧客の属性や検索・購入履歴などをもとにマッチする商品や話題性の高い商品などをポップアップで情報表示。週に1回のペースで表示しており、メルマガとは違う能動的なアプローチ手段として活用している。

 また、購入を促すという意味では、同じく3月から商品の個別ページにある在庫数の下に「本日○人がこの商品を見ています」という形で、リアルタイムでの1日の商品閲覧数の状況を表示する機能も追加している。「人気度(の可視化)を含めた意味もあるが、もし在庫が残り少ない商品を多くの人が見ていることが分かった場合、『今、早く買わないと』という顧客心理につながる」(同社)と説明。実際に事前のテストでは、導入していない時と比較して高いコンバージョン率を記録した。特に人気の高い予約商品などで顕著なようで、実店舗のように人気商品の目の前に人だかりができる光景をEC上でも具現化するツールとして効果があると考えている。

問い合わせの対応を自動化

 買い回り以外でのテコ入れとしては、18年10月よりチャットボットによる顧客問い合わせ対応を開始した。これまでも「LINE」でAIが回答するサービスの「LINEカスタマーコネクト」は導入していたが、新たに自社通販サイトの顧客サポートページ上に直接打ち込んで利用できる形となった。

 年末の繁忙期などは電話がつながりにくいこともあり、そこで離脱するケースもあったようだが、導入以降はメールよりも早い応答ができることから利用者が拡大。18年12月についてはメールと電話による問い合わせ回数が前年よりも20%減少。また、応答率についても18年12月~19年1月で見ると90%台まで改善することができた。「昨年までは実店舗にECの問い合わせ電話が来てしまうこともあったが、今はそれがほぼなくなっていると聞く。カスタマーサービスの大きな改善点だと思う」(同)とした。(つづく)

 
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