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千趣会の「べネビス」 タッチポイント強化へ、立川高島屋SCに4カ月弱出店し常設店の布石に

2018年10月18日 11:05

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 千趣会は10月11日、百貨店と専門店が融合する商業施設としてリフレッシュオープンした立川高島屋S.C.東京都立川市)に、オリジナルの婦人靴ブランド「ベネビス」の実店舗を開設した(画像)。来年1月31日までの4カ月弱の出店となるが、販売状況によっては期間延長の可能性もあるようで、常設店への布石とする。

 千趣会の「ベネビス」は30年の歴史を持つブランドで、16年8月からはJフロントリテイリングとの共同ブランドとして運営。同社傘下の大丸松坂屋百貨店の実店舗に売り場を設けて百貨店顧客の開拓を進めてきたが、Jフロントの持分法適用関連会社から外れたことで共同ブランド化を解消し、8月までに百貨店の売り場(全8店舗)から撤退していた。

 ただ、百貨店顧客との相性は良く、靴という商品特性から店舗チャネルでの手応えをつかんでいたこともあり、キャラバン形式での期間限定店を展開しながら、常設店開設への足がかりを築きたい意向だ。

 立川高島屋S.C.の品ぞろえについては、カラーとサイズ展開の多さはもちろん、幅やつま先の形のバリエーションが豊富なパンプスをはじめ、百貨店の販売員にアンケートをとって履きやすさを追求したパンプスや、急いでいても走れるようソールに工夫を凝らしたサンダル、雨の日にも履けるパンプスなど、多数の商品を用意した。

 商品の見せ方では、来店客が靴を手に取ってもらえるよう、什器はメイン商品や季節商品など、その時の一押しの商品で構成するほか、店内へ入りやすいように極端に什器を置かず、ゆっくり試着できるよう広めの空間を確保した。

 メイン商材(マイパンプス)のために制作した専用什器も設置し、店頭ですぐに試着でき、サイズ感を選べる商品特性を来店客に分かりやすく伝える。また、ポップで機能別にシリーズを分けて陳列する。

 従来、「ベネビス」のポップアップストアは出店期間が1週間程度と短い店舗もあるが、立川高島屋S.C.では販売状況を踏まえた売り場改善の幅が広がるとしており、時期に合わせて商品や売り場、プロモーションの中身を変えることで常設店を意識した運営を行うことにしている。

 千趣会では、10月は百貨店を中心に他の商業施設でも短期間のポップアップ店を開設。10月2~8日はそごう横浜店(横浜市西区)、同月4~10日は京王百貨店新宿店(東京都新宿区)で開催したほか、同月16~31日はアトレ吉祥寺(東京都武蔵野市)、同月24~30日は富山大和(富山市)、同月25~31日に東武百貨店池袋店(東京都豊島区)でも展開する。

 同社では、靴という商品特性上、すでに通販を利用している顧客についても試着してもらい、履き心地の良さを体感してもらう考えで、既存顧客にも期間限定店を案内する。同時に、タッチポイントを増やして試し履きを促進する。その後、店舗の利用者にも通販で再購入してもらえる取り組みを進めていく。

 また、8月に閉めた大丸と松坂屋の実店舗も自社運営ではなく、詳細な課題が把握しにくかったため、今後は実店舗を自社運営することで課題を見える化し、成長につなげたい考え。


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