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フィールライフの貝原利顕社長に聞く、紙媒体の立て直しと中期ビジョンは?㊦

2017年 4月27日 09:44

 2-1.jpg前号に引き続き、千趣会100%子会社のフィールライフの貝原利顕社長に「大丸・松坂屋通信販売カタログ」の課題や新しい取り組み、中期ビジョンなどを聞いた。


──カタログの立て直しに向けて取り組んでいることは。
 
 「カタログはファッションとリビング、食品の3カテゴリーを展開しているが、事業としてはファッションがしっかりしないとダメだ。ドラスティックに中身を変えなくても、買いやすさや伝え方の部分などで取り組めることはある。すでに着手していることとしては、字の大きさや商品のスペック、写真など売り場としての整理整頓を行い、必要なものを分かりやすく伝えるようにしている。従来はカタログによって文字の大きさやフォント、余白の使い方などがバラバラだった
 
──千趣会のカタログ制作ノウハウを生かす。
 
 「30~50代女性がメインの千趣会と、70代前半が主要顧客の当社では、読み物の共通項として合致する部分はもちろんあるものの、われわれの世代がおしゃれだと思うカタログ、買いたいと思う誌面を作っても、70歳前後の顧客に響かないことは多々ある。実際に、昨年は少し誌面を修正したら、売り上げが大きく落ちるという経験もした。統一感があり過ぎてもダメで、少しごちゃごちゃ感というか、大阪の天神橋筋商店街や東京の巣鴨地蔵通り商店街のような雰囲気が必要だと感じる。社内では、常に千趣会側に寄って媒体を作ることはやめようと言っている。われわれの世代が『良いな』と思ったら、千趣会のカタログに寄っていることが多い
 
──顧客の高齢化を見据えた取り組みなどは。
 
 「現在の中心顧客よりも少し若い層をとり込む場合は、新しい媒体を作ってリーチすることになるだろう。グループのミッションとしても、千趣会の『ベルメゾン』を卒業したお客様に当社からアプローチしたり、自社の離反客にも周知を図る必要がある。新聞広告の活用なども考えなければいけない。Jフロントリテイリング側の組織会員などへのアプローチは従来から行っており、今後も継続的に取り組んでいきたい
 
──商品面で新しい取り組みなどは。
 
 「食品については、原価は高くても特徴を出しやすいカテゴリーでもあるので、新しい商材にチャレンジしていきたい。例えば、4月末発行の5月号からは『想いやり習慣』というカタログ冊子をスタートし、特色ある野菜ジュースの『トロトロ果肉入り人参ジュース』などを販売する。以前から野菜ジュース自体は扱っているが、単品系で商品としての顔で売っていくものは少なかった。『想いやり習慣』は体に良く、美味しくて毎日続けられる食品を厳選して掲載する媒体となる
 
──機能性の高い食品も視野にあるのか。
 
 「当社は高齢のお客様が多く、健康を気にしている。元々が百貨店の利用者で、良い商品にはお金を惜しまない方が多い。差別化できる商品でファン化を図り、定期的に購入してもらうことは事業としてもメリットがある。そのため、『トロトロ果肉入り人参ジュース』などを足がかりにして、成果が得られれば、健康食品の取り扱いを含めて単品通販にも挑戦できればいい
 
──中期的な会社の姿は。
 
 「JFRオンラインとして最後の決算となる2017年2月期は売上高が約93億円だった。この数年で大きく落としているが、ずっと100億円以上の売り上げがあった。利益体質の構築を最優先に考えるが、ファッションや食品を中心に成長軌道に乗せ、なるべく早い段階で100億円台に戻したい」  (おわり)


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