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富士フイルム、ヘアケア事業に参入

2014年 7月 3日 11:27

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富士フイルムがヘアケア事業に参入する。9月24日にスカルプエッセンス(頭皮用美容液)、シャンプー、コンディショナーの3商品を発売。当初は通販で展開し、店頭販売も検討する。発売から3年後には10億円の売り上げを見込んでいる。

発売するのは「アスタリフト スカルプフォーカス エッセンス ノンアルコール」(価格は税別5700円)、「同シャンプー ノンシリコン」(同2000円)、「同コンディショナー ノンシリコン」(同2000円)の3商品。同社では、近年女性向けのスカルプ(頭皮)ケア市場が急拡大していることに着目。アスタリフトシリーズの主要顧客層である、40~50代女性の多くが加齢による髪に関する悩みを抱えていることも参入を後押しする要因となった。

 新たに発売するスカルプエッセンスの特徴は、エタノールを配合していないこと。エタノールは、育毛効果は高いが水に溶けずオイルに溶けにくい「グリチルレチン酸」を溶かすために多くの育毛剤に配合されているが、同社の研究によると、高濃度エタノールが髪の成長をコントロールする「毛乳頭細胞」に損傷を与えること、低濃度エタノールが育毛を阻む効果のある情報伝達細胞の産生を促すことが明らかになったという。

 同社では、グリチルレチン酸を溶かすことができる特殊なオイルを使い、皮膚への浸透を妨げない膜で包むことなどにより、水溶液中でもナノサイズで安定できる技術を開発した。これにより、「ナノグリチルレチン酸」の角層への浸透性は、高濃度エタノールに溶かしたグリチルレチン酸に比べて、1・7倍になったとしている。

 発売当初は、積極的な広告展開は行わない。まずはアスタリフトシリーズの顧客に対し、チラシなどで新商品を案内。使用感をインフォマーシャルなどの広告媒体に掲載する方針だ。

 また、9月1日には桜の花びらと同様の光学特性を再現する独自の「サクラオーラパウダー」を配合したベースメーク「アスタリフト ライティングパーフェクション」を発売。桜の花びらと美しい肌は、表面の凹凸構造によって、全方向に光を均一に反射するといった共通点があるという。9月24日には苦みや臭みの少ない、純度の高い低分子コラーゲン「ピュアコラーゲン」を1万ミリグラム配合した美容ドリンク「アスタリフト ドリンク ピュアコラーゲン10000」を投入する。

 同社では化粧品・健康食品を扱うライフサイエンス事業の直近売上高を明らかにしていないが、2012年3月期の同事業売上高は200億円前後とみられる。ここ数年の売り上げ推移については「ゆるやかに伸びている」(山口豊ライフサイエンス事業部長)という。

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