好調ネット販売企業の研究 コージィコーポレーション モバイル注力で急拡大
子供服製造販売のコージィコーポレーション(本社・大阪市中央区、〓林更次社長)のモバイル通販事業が急拡大している。ビッダーズへの出店や販促強化など昨年から力を入れているが、すでにモバイル経由の売り上げがパソコン経由を上回っており、今年1月には楽天市場の「ショップ・オブ・ザ・イヤー2009」で、キッズ・ベビー・マタニティ部門のジャンル大賞とともに、モバイル賞を受賞している。
同社は全国に子供服を販売する店舗「スターベイションズ」を展開し、自社で製造した商品を販売している。ネット販売の開始当初は自社サイトのみの運営だったが、現在は閉鎖しており、楽天市場を中心とした仮想モールに同名店舗を出店している。
昨年からはモバイル通販に注力している。同社の顧客はギャル系などの若い母親層が多く、パソコンの保有率はあまり高くないものの、携帯電話での買い物に抵抗感がない。6月にはビッダーズに出店したほか、楽天市場内に出稿する広告を、モバイルサイトに誘導するようにした。
以前はパソコン経由の購入とモバイル経由の購入の比率はほぼ半々だったが、現在はモバイルの比率が六割超まで上昇。今年5月には自社のモバイル通販サイトをオープンする予定で、モバイル比率は今後も増える見込みだ。
ウインターセールを開始した昨年12月23日には、通販売り上げが5700万円超を記録するなど、モバイルが牽引(けんいん)する形で業績は好調に推移している。2010年8月期の通販売上高は前期比78・3%増の18億2200万円を予想。同社の積高之専務取締役は「(全社売売上高に占める通販の比率は)2割程度が理想だろう」と話す。
通販の顧客が多い地域に店舗を出店するという形で積極的な出店を行っており、通販の伸長が実店舗の拡大につながるという好循環が生まれている。ただ、店舗で商品を見てから通販で買うというケースが増えており、「店の売り上げにつながらないため、現場のモチベーションが落ちる」(積専務)という弊害もあるようだ。
昨年12月には新たな取り組みとして、アバター(ネット上の自分の分身)用のアイテム提供を開始。アバターアイテムとして、通販サイトで販売する自社の商材をイラスト化して提供しているのが特徴だ。「今年5月発売までの全商品をアイテム化しており、商品発売と同時にリリースする」(同)という。商品をイラスト化するには手間とコストが必要になるが、企画段階のイラストをそのまま立体化することで手間を省いている。今後開設する自社サイトと連動することで、販促効果を高めていく。
急速に成長したことから、物流などのフルフィルメント関連の整備も課題となっていた。昨年には社内に撮影スタジオを設け、サイトで使う写真を撮影する体制にしたものの、商品撮影やデータ作成などが膨大な量になったことから、現在は商品撮影代行サービスを活用している。また、物流も昨年9月に「楽天物流サービス」に変更。積専務は「いずれは自社・委託は問わず、中国に物流拠点を持つ形にしたい」と話す。
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昨年からはモバイル通販に注力している。同社の顧客はギャル系などの若い母親層が多く、パソコンの保有率はあまり高くないものの、携帯電話での買い物に抵抗感がない。6月にはビッダーズに出店したほか、楽天市場内に出稿する広告を、モバイルサイトに誘導するようにした。
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昨年12月には新たな取り組みとして、アバター(ネット上の自分の分身)用のアイテム提供を開始。アバターアイテムとして、通販サイトで販売する自社の商材をイラスト化して提供しているのが特徴だ。「今年5月発売までの全商品をアイテム化しており、商品発売と同時にリリースする」(同)という。商品をイラスト化するには手間とコストが必要になるが、企画段階のイラストをそのまま立体化することで手間を省いている。今後開設する自社サイトと連動することで、販促効果を高めていく。
急速に成長したことから、物流などのフルフィルメント関連の整備も課題となっていた。昨年には社内に撮影スタジオを設け、サイトで使う写真を撮影する体制にしたものの、商品撮影やデータ作成などが膨大な量になったことから、現在は商品撮影代行サービスを活用している。また、物流も昨年9月に「楽天物流サービス」に変更。積専務は「いずれは自社・委託は問わず、中国に物流拠点を持つ形にしたい」と話す。