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ライオンの浜田勝俊副主席部員に聞く、新CMの評価と活用策

2013年 6月 7日 15:50

041.jpgのサムネール画像のサムネール画像 ライオンの通販事業は2014年12月期に前期比20%増(120億円前後)の売り上げを見込んでいる。今年1月には濱逸夫社長自ら出演する主力製品「ラクトフェリン」のインフォマーシャルを開始。ウェブ広告の展開で培ったノウハウを活かし、テレビ活用を強化している。新インフォマーシャルの評価とその活用策について、特販事業本部通販事業部の浜田勝俊副主席部員に聞いた。(聞き手は本紙記者・佐藤真之)

ウェブ運用のノウハウ活かし新規獲得効率が改善

――1月から展開する新インフォマーシャル(画像=120秒)の狙いは。

 「アーリーアダプターを取りきったとの判断があった。細かい機能性ではなく、代表自ら製品を紹介することで自信のある製品であることを伝えたかった。顧客の中には機能性に反応する方もいれば、何となく健康不安を抱え、信頼できる製品を購入したい人もいる。企業としての信頼感、知名度を活かし、そのようなマジョリティにリーチできないかと考えた」

042.jpg――評価は。

 「特徴は、定期コースへの転換率が高いこと。定期コースへの移行はおよそ10週間(約2カ月)でピークを迎えるため、これをKPI指標としてテレビ局や番組、季節要因による偏りを少なくして複数のインフォマーシャルを放映して媒体を評価しているが、従来のインフォマーシャルと明らかな差異がみられた」

――新規獲得の効率は。

 「同時期に放映する従来型インフォマーシャルとほぼ同じで期待値には達しなかった。ただ、定期移行率が高いので改善を加えれば何とかなるだろうと考えた」


――考査を一度通った制作物の編集をやり直すことはあまりしない。

 「一番のデメリットは考査。そのため従来のインフォマーシャルではやったことがない。ただ、ウェブ広告ではPDCAを回し、修正を繰り返しながら獲得効率を高めてきた経緯があり、それが強みでもあった。その考えを活かそうと考えた」

――何を変えた。

 「端的に言えば通販広告らしくしたということ。『ユーザー数100万人突破』という表記を加え、『ラクトフェリン』『ダイエット習慣』『ライオン』など覚えてもらいたいキーワードの連呼数の変更、音楽もハイテンポにし、ナレーターも女性から男性に変えて迫力を出した。当初は代表が出演することもあって落ち着いたトーンの演出だった」


――結果は。

 「4月から放映した新バージョンは新規獲得の効率が従来の1・5倍になり、期待値に近いCPAを得られるようになった。今回、インフォマーシャルの改善を通じて当初のCPAを見て思い込みで判断してはいけないと感じた。やり方で新しい顧客との接点、継続率の高い優良顧客との接点が得られるということ。今後も制作物にはこの考えを活かしていきたい」

――改善ポイントはどう探ってきたのか。

 「グループインタビューに加え、コンタクトセンターで顧客が注文する際、自発的に思い出してもらう『再生』や、覚えているキーワードをお聞きする『再認』の聞き取りを徹底した。センターの聞き出す力は非常に重要だと考えている」

――現状はアウトソーシングしている。どう関係づくりを行っている。

 「東京のコンタクトセンターの半数は通販事業部の隣のブースで仕事を行っている。当初は研修も委託先に任せていたが、今は主導してプログラムを作っている。昨夏には通販のコンタクトセンターのステートメントも作り、朝礼や会議を行う際はこれを朗誦することから始める。倉庫で行う月1回の定例会議やセンターの会議もこちらが出向き、現場に一番近いところで行うよう徹底している。労働形態は違うが、協力会社の方々にライオンの社員という意識を持ってもらう取り組みは数年来、力を入れている」

――今期の見通しは。

 「前期比20%増を見込んでいる」

――商品別の売り上げ構成比は。

 「今は『ラクトフェリン』が約8割を占め、続いて『トマト酢生活』が約10%(10億円前後)を占める。2015年末をめどに『ラクトフェリン』を伸ばしつつ、10億円を超える製品を複数作って『ラクトフェリン』の構成比を7割ほどにしたいと考えている」

――新規媒体の開発は。

 「マス媒体が疲弊する中で従来のウェブやテレビ以外のニッチな媒体を集中して開発していく必要があると感じている。かつては試していたが、開拓に手間もかかり、今は固定化した媒体に出稿するだけ。日常の業務の中で片手間に取り組むのではなく、期間を定め、予算を充当して集中して探す必要がある」




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