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ピーチ・ジョン  受注期間を長期化、業績回復へ

2012年 2月16日 13:58

 ピーチ・ジョンの業績が回復している。今第3四半期(3~11月)の連結売上高は前年同期比10・4%増の101億1700万円、営業利益は6億4800万円(前年同期は1億4100万円の営業損失)と好調に推移。カタログとウェブの連動を強化し、受注期間を長期化したほか、毎月新商品を提案する販売計画に見直したことで品ぞろえの鮮度向上を図った。これにより、競合相手であるアパレルのネット販売に対抗し、業績回復につなげているようだ。

 ピーチ・ジョンの2011年2月期の連結売上高は前期比11・4%減の117億1100万円で、営業損失は30億2400万円(前期は13億2500万円の損失)と苦戦していた。苦戦の要因について、アパレルネット専業の台頭でカタログの求心力が低下したほか、ウェブの強化の遅れによりヒット商品を育成できなかったとみている。

 そこで、カタログ発送時期の見直しに着手。従来、同送していた衣料品カタログ「pj」とコスメ・雑貨カタログ「gj」を別送し顧客の接点を拡大。「gj」発刊から約20日前後遅れて「pj」を発送し、シーズンを外すことなく衣料品を紹介できるようにした。

 また、カタログの受注ツールとなっていたウェブの役割を見直した。新たにカタログへの興味喚起と、シーズン中の長期的な需要を獲得する媒体と位置付け、メルマガなどの情報発信を強化している。

 これら媒体の見直しに伴い、これまでカタログ発刊と同時に全商品を販売していたスケジュールを検討。これまではカタログの発刊直後に受注のピークを迎えていたため、シーズン前に欠品が発生し販売機会の損失につながる課題があった。

 そのため、カタログ発刊前にウェブで先行販売実施し、カタログへの興味を喚起する。毎月新商品を提案する販売スケジュールを採用し、カタログ発刊後も、季節感に合った品ぞろえを実現できるようにした。

 これら施策により受注期間が長期化したことで、ヒット商品が誕生。ハートをモチーフにした「ハートブラ」は秋冬シーズンで6万枚を販売。カタログ発刊前に通販サイトで先行販売したほか、カタログ発刊に合わせたCM展開などが奏功。フィッティングの良さからリピート購入が発生し長期的な受注の獲得につながったようだ。

 ただ同社では、販売スケジュールの見直しで商品サイクルが短縮化しており、在庫リスクが高まる課題があると分析。今後は在庫管理と、季節に合わせた商品提案のタイミングの精度向上を目指したい考えだ。
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