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山忠 腹巻で次世代顧客獲得、15ヶ月で3万枚販売、くちコミ波及効果

2009年10月21日 19:34

101.jpg 靴下を中心に婦人衣料の通販を展開する山忠は新商品の腹巻を通じて、主要顧客よりも1世代若い30―40代の女性新規顧客の獲得が進んでいる。販促はネットを活用、くちコミで妊婦や妊娠を望む30―40代女性に支持された。販売個数は08年7月に発売して以来、1年3カ月で3万枚を突破。11月2日には冬向けの新商品を発売する。

 腹巻の商品名は「おなかありがとう」(=写真、税込3,980円)。山忠が企画・開発したオリジナル製品で、国内工場に製造委託している。

 一般的に、腹巻の需要期は冬だが真夏の8月に発売した。夏でも「お腹の冷え」を気にする女性が少なくない上、真夏に着用してもらうことで、製品の特徴である通気性と締め付け感や裾めくれのなさを訴求できると考えた。

 反応があったのは妊娠を望む主婦など、出産に関わる女性からだった。不妊治療などを受けている女性たちはブログなどを活用して情報交換を行っているが、このネットワークを通じて腹巻がくちコミで広がった。

 「おなかありがとう」は価格がおよそ4,000円で、一般的な腹巻に比べ値が張る。それでも、ツボや内蔵の位置などを考慮して編み方を分け、ウエストのくびれに沿って幅を変えるなどの機能性が評判を呼んだ。

 妊娠を望む女性は真夏でも腹部を冷やさないため、腹巻とカイロを併用している人もいるが、蒸れなどの不快感があるという。そんな中、山忠の腹巻は薄くて蒸れない上、しっかり温まるとして支持された。リピート率は高く、平均購入枚数は2枚を超えている。

 山忠の主要顧客は60―70代のため、これまでネット販売は出遅れていた。腹巻は次世代顧客の獲得を目指し、ネットを中心に販促。自社通販サイト「足の大家」では、「おなかありがとう」の売上高がロングセラー商品「足首ウォーマー」を抜いた。

 入り口商品も従来の「足首ウォーマー」から「おなかありがとう」の比率が増え、ほぼ半々になってきたという。「おなかありがとう」は「足首ウォーマー」のおよそ4倍の価格のため、新規顧客の獲得効率も向上しているようだ。

 「おなかありがとう」は通年商品として発売したが、11月2日に冬向けの「冬のおなかありがとう」を発売。従来製品に比べ、生地を2重構造にし、保温性を高めた。

 新商品の発売に合わせ、不妊治療を受ける女性たちのイベントにブース出展するほか、育児用品大手が開設するサイトなどで商品を紹介。製品をプレゼントするなどして、くちコミ波及効果を期待する。
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