通販系業務などを中心にテレマーケティングを行うテレコメディア(。前期はコールセンター部門が約15%増となるなど、好調に業績を拡大している。設立30周年を迎えた今期は、新5カ年計画を策定。オペレーターの新たな評価体制や多言語対応サービスなど、従来にない取り組みを進めていく。今後、どのような方向性で事業を強化していくのか。4月、新社長に就任した橋本力哉氏に話を聞いた。(聞き手は本紙記者・河鰭悠太郎)
――新社長に就任した。現在の心境は。 「まずは大きな不安もなくスタートできる環境だったと思う。今年が30年の節目なので、永続させるため次に繋いでいくことが重要だ。そこで心構えとして、経営理念への理解を深めることや強みを活かすことなどのメッセージを打ち出した。特に強みについては、他に類例がない取り組みにこだわっていきたい。『てっぺん思想』と呼んでいるが、自社や日本、世界で初めてとなる何か新しいことをやろう、ということだ。それにコミュニケーション、情報の収集、コンプライアンスの遵守などを加えた考え方を基に、新たなテレコメディアをスタートさせる」
――今後の事業計画を伺いたい。 「品質をフロントに立てた新5ヵ年計画を推進していく。応対品質の向上、クライアントに我々の存在価値をアピールして必要とされる会社にすること、人材育成など従業員向けの取り組み、雇用も含めた社会貢献、そして安全・安心など、5つの項目を立てている。直近では、まずは人事制度の改革。人事体系を一斉に変える計画を立てていて、個人の成長を実感できる形にするつもりだ。ポイント制を導入し、アルバイトのアテンダントと社員を同じテーブルに載せて評価できる仕組みを構築している」
――ポイント制とは。 「一人ひとりのスキルを数値化して可視化できるようにする。例えば、『通販化粧品についてこれだけの経験がある人がいる』とか、『アウトバウンドの経験がこれだけある』とか、そういう形でスキルを可視化できるようにするわけだ。今の我々の規模ならまだ、キメ細かい範囲でそうした仕組みを作ることは可能。土台を作っておけば、クライアントに『こういう人がいる』と提案できる。正社員と非正社員、という概念を払拭し、スキルが高いアルバイトであれば社員と同じように評価できるようにしたい」
――いつごろから具体化するのか。 「下期から開始する。今は枠組みを構築している段階で、これは4月末にはある程度完成するはず。その後で評価をする。まずはアテンダントから始めるが、最終的には現場のオペレーションすべてを対象にしたいので、現場に絡む人は社員もアルバイトも等しく評価していく」
――評価の基準は。 「勤続年数やこれまで経験してきた業務の内容、勤怠など。一人ひとりのことを知るためにも、可視化することが大事だ。我々もアテンダントへの理解が深まり、アテンダントもポイントが貯まるなどで少しでも定着率が高まればいいかな、と」
――新しいサービスについては。何か構想しているのか。 「多言語対応が芽を出しつつある。まずは英語と中国語、韓国語だ。インドがアメリカのコールセンターの受け皿になっているように、日本がそうなってもいいと思っている。コールセンターのグローバル化とは何かを考えてみて、『安かろう悪かろう』でオペレーション効率だけを求めて海外に出ていくやり方もあるが、国内で外国の方が働く場所を作るやり方でもいいんじゃないか、と。日本の文化を使ったグローバル化を進めたい」
――業務内容は。 「まずは通訳から始める。昨年10月に実証実験を行った。中国から医療観光で来た人達を対象に、ドコモの携帯電話と我々のコールセンターをくっつけてインフラを提供したわけだ。そうした部分から始め、いずれは海外向け通販などの業務にも対応できればと思う」
――今後の目標などは。 「フルフィルメントなどで、得意分野同士が集まった取り組みをしたい。システム会社、物流会社、決済会社......異業種の他社を集めてネットワーク化し、受託などの際のアレンジ役として関わりたい。コールセンターはすべてに携わる中核的な存在なのでアレンジ役に向いていると思っている」
通販系業務などを中心にテレマーケティングを行うテレコメディア(。前期はコールセンター部門が約15%増となるなど、好調に業績を拡大している。設立30周年を迎えた今期は、新5カ年計画を策定。オペレーターの新たな評価体制や多言語対応サービスなど、従来にない取り組みを進めていく。今後、どのような方向性で事業を強化していくのか。4月、新社長に就任した橋本力哉氏に話を聞いた。(聞き手は本紙記者・河鰭悠太郎)
――新社長に就任した。現在の心境は。
「まずは大きな不安もなくスタートできる環境だったと思う。今年が30年の節目なので、永続させるため次に繋いでいくことが重要だ。そこで心構えとして、経営理念への理解を深めることや強みを活かすことなどのメッセージを打ち出した。特に強みについては、他に類例がない取り組みにこだわっていきたい。『てっぺん思想』と呼んでいるが、自社や日本、世界で初めてとなる何か新しいことをやろう、ということだ。それにコミュニケーション、情報の収集、コンプライアンスの遵守などを加えた考え方を基に、新たなテレコメディアをスタートさせる」
――今後の事業計画を伺いたい。
「品質をフロントに立てた新5ヵ年計画を推進していく。応対品質の向上、クライアントに我々の存在価値をアピールして必要とされる会社にすること、人材育成など従業員向けの取り組み、雇用も含めた社会貢献、そして安全・安心など、5つの項目を立てている。直近では、まずは人事制度の改革。人事体系を一斉に変える計画を立てていて、個人の成長を実感できる形にするつもりだ。ポイント制を導入し、アルバイトのアテンダントと社員を同じテーブルに載せて評価できる仕組みを構築している」
――ポイント制とは。
「一人ひとりのスキルを数値化して可視化できるようにする。例えば、『通販化粧品についてこれだけの経験がある人がいる』とか、『アウトバウンドの経験がこれだけある』とか、そういう形でスキルを可視化できるようにするわけだ。今の我々の規模ならまだ、キメ細かい範囲でそうした仕組みを作ることは可能。土台を作っておけば、クライアントに『こういう人がいる』と提案できる。正社員と非正社員、という概念を払拭し、スキルが高いアルバイトであれば社員と同じように評価できるようにしたい」
――いつごろから具体化するのか。
「下期から開始する。今は枠組みを構築している段階で、これは4月末にはある程度完成するはず。その後で評価をする。まずはアテンダントから始めるが、最終的には現場のオペレーションすべてを対象にしたいので、現場に絡む人は社員もアルバイトも等しく評価していく」
――評価の基準は。
「勤続年数やこれまで経験してきた業務の内容、勤怠など。一人ひとりのことを知るためにも、可視化することが大事だ。我々もアテンダントへの理解が深まり、アテンダントもポイントが貯まるなどで少しでも定着率が高まればいいかな、と」
――新しいサービスについては。何か構想しているのか。
「多言語対応が芽を出しつつある。まずは英語と中国語、韓国語だ。インドがアメリカのコールセンターの受け皿になっているように、日本がそうなってもいいと思っている。コールセンターのグローバル化とは何かを考えてみて、『安かろう悪かろう』でオペレーション効率だけを求めて海外に出ていくやり方もあるが、国内で外国の方が働く場所を作るやり方でもいいんじゃないか、と。日本の文化を使ったグローバル化を進めたい」
――業務内容は。
「まずは通訳から始める。昨年10月に実証実験を行った。中国から医療観光で来た人達を対象に、ドコモの携帯電話と我々のコールセンターをくっつけてインフラを提供したわけだ。そうした部分から始め、いずれは海外向け通販などの業務にも対応できればと思う」
――今後の目標などは。
「フルフィルメントなどで、得意分野同士が集まった取り組みをしたい。システム会社、物流会社、決済会社......異業種の他社を集めてネットワーク化し、受託などの際のアレンジ役として関わりたい。コールセンターはすべてに携わる中核的な存在なのでアレンジ役に向いていると思っている」