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製紙各社の主力工場が被災、通販業界への影響も

2011年 3月30日 18:27

 東日本大震災は製紙業界にも大きな被害をもたらしている。各社の主力工場が被災し操業を停止。日本製紙連合会では篠田和久会長(王子製紙社長)が「新聞・印刷情報用紙生産関連の主力工場が被災しており、需要家に迷惑をかける可能性がある。停止や停止を予定していた設備の稼働も検討している」とコメントを発表した。操業停止が長引けば、通販カタログや折込チラシで印刷用紙を使う通販企業にも影響を及ぼしそうだ。

 日本製紙では、津波で壊滅的な被害を受けた宮城県石巻市にある石巻工場をはじめ、宮城県岩沼市の岩沼工場、福島県いわき市の勿来工場が操業を全停止している。このうち、石巻工場は津波により工場内に大量の土砂やがれきが流れ込んでおり、復旧には時間がかかりそうだ。

 大王製紙は子会社で新聞用紙・段ボール原紙の生産工場、いわき大王製紙の本社工場(福島県いわき市)が被災し操業を停止。建物や生産設備の被害は軽微だったものの、福島第一原子力発電所の事故を受けて操業再開を延期していた。

 独自に放射線量の測定を行うなど安全を確保した上で、24日に新聞用紙、25日に段ボール原紙の製造機械の操業を再開している。

 三菱製紙では、印刷用紙の主力工場である、青森県八戸市の八戸工場が津波の影響で操業を停止。工場の1階部分が浸水し、電気系統などに被害が出ており、本格操業再開は5月中旬となる見込み。

 製紙各社では停止設備の再稼働などで印刷用紙の供給不足に対応する方針だが、関連工場の被害により資材調達が困難となっているほか、福島第一原発の事故や東京電力管内での計画停電により工場の操業にも影響が出てきている。

 日本製紙連では、通販カタログなどで使われるコート紙など、印刷用紙の供給不足に関して「可能性はある」(広報部)としている。

 4・5月に発行する総合通販各社の夏カタログに関しては、すでに用紙の確保が終わっているものとみられるが、恒常的に発行する折込チラシや、夏以降に発行する秋冬カタログに影響が出てきそうだ。

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