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ファンケルが店舗用アプリを開発 接客履歴を可視化、分析も強化

2025年 4月24日 12:00

 ファンケルは4月1日から、直営店に接客アプリを導入した。過去の購入履歴やカウンセリング情報、サンプルの提供履歴等を専用アプリで一元管理する。接客情報を可視化することで、体験価値向上に向けた接客品質、データ分析を強化する。

 専用アプリは直営店152店舗全店(今年3月時点)に導入する。アプリの機能は、店舗スタッフ約1000人のヒアリング内容から、優先順位が高く、コミュニケーションに必要な機能を反映させた。

 専用アプリは顧客の通販・店舗の購入履歴、過去の接客情報、他店を含めた製品の在庫確認など14の機能をスマートフォンで確認できる。

 これまで保有ポイントや購入履歴はPOSレジ、カウンセリングなど接客履歴はタブレット端末、通販を含めた購入履歴は店舗PCなど接客に必要な情報が店舗の各ツールに分かれ、参照に時間がかかっていた。

 特徴的なのはサンプルの提供履歴を管理できること。店舗の接客では、製品提案から購入に至らなかった場合、サンプルを提供することがある。これまでこうした情報は、スタッフ自身の記憶に依存したり、ノートに記録していた。接客情報の詳細を管理することで、次回来店時の接客対応につなげる。

 ほかにも店舗の製品在庫は、来店客のニーズで特定の製品に集中するなど波が多い。本社の管理部門は、各店の在庫を把握していたが、店舗では、在庫のない製品について、近隣店舗に電話で確認する必要があった。カウンセリングも予約状況は把握していたが、過去の接客履歴にさかのぼり把握できていなかった。

 通販と店舗の利用顧客の情報連携は一部にとどまる。店舗と通販をまたいで行う施策や容器回収等の顧客行動は把握できるが、通販の問い合わせ窓口に寄せられた相談内容、ウェブサイトの閲覧状況は連携していない。今後、通販事業との連携強化も検討する。

 店舗の利用顧客は通販に比べ継続率や併売率が高く、体験価値向上の面から重視する。一方で、製品等の管理が煩雑なため、十分な接客時間を確保できていなかった。中期計画では、DX強化により、接客時間を従来の1・4倍に増やし、データ管理を強化する。

 接客アプリはアパレル業界の機能開発が先行していた。ファンケルは他業界のマーケティングも参考に、店舗戦略を強化する。
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