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「ラクマSOY」で 「BRING」が3冠 8部門でリユース事業者表彰

2025年 2月13日 12:00

 楽天グループは2月5日、フリマアプリ「楽天ラクマ」において、リユース事業者などが出店する「ラクマ公式ショップ」の優秀店舗を表彰する「ラクマショップ・オブ・ザ・イヤー(SOY)2024」の授賞式を都内で開催した。SOYは今回が3回目。中古ブランドファッションを扱う「BRING」のSTAYGOLDや、古着販売のベクトル、コメ兵などが受賞している。

 ラクマSOYは、部門ごとに2024年の売り上げ、取引件数、ユーザーの評価、成長率などから選ばれた店舗を表彰するもの。今年は17店舗が表彰された。ジャンル賞はバッグ・腕時計・アクセサリー・アパレル・エンタメ・ホビーの5部門で3店舗ずつ表彰された。また、サービス賞として、使い込まれた商品の取引比率が高くリユースを促進した店舗を表彰する「グリーン部門」と、越境取引で実績を出した店舗を表彰する「グローバル部門」、2023年度に出店した店舗の中から、顕著に売り上げた店舗を表彰する「新人部門」において、それぞれ3店舗が表彰された。

 授賞式で、ラクマ事業部の長谷川健一朗ジェネラルマネージャーは、2024年のラクマを振り返って「安心・安全なプラットフォームを作るため、偽造品撲滅に力を入れており、成果が出ている」と述べた。販促面では一昨年8月より、楽天市場の「スーパーセール」や「お買い物マラソン」といった大型セールにおいて、ラクマでの購入を「買い回り」としてカウントされるようになった。「楽天市場ユーザーがラクマを利用するケースが増えており、これが積み上がって効果が見えてきている。これを加速するための大きな施策を25年第2四半期にリリースするので、期待してほしい」(長谷川ジェネラルマネージャー)。

 また、ラクマ事業部BtoC&AD事業課の木下春菜シニアマネージャーは、24年の振り返りとラクマの事業戦略を発表。ラクマ公式ショップの24年売上高は、ラグジュアリー商品が好調だったことで前年比62%増に。特に楽天市場の大型セールとの連動が功を奏しており、同社調査では「ポイントが多くもらえるからセール時に購入した」と回答したユーザーが74・5%にのぼったという。また、クーポン施策や事業者と組んだオフラインイベントも売り上げ増に貢献した。

 クーポンについては、ラグジュアリークーポンとファッションクーポンなど、ジャンルごとに配布していたが、25年はユーザーのニーズに沿った企画を実施。例えば、財布の買い替えにつながる「開運日」とされる日や、ボーナス時期に企画を行うほか、クリスマスなどのシーズナル企画も強化する。

 また、24年は公式ショップ店だけをキュレーションした特設ページを「バイイー」に掲載したり、台湾のファミリーマートアプリにラクマ公式ショップだけの独占サイトを立ち上げたりするなどの取り組みを行った結果。公式ショップの越境取引は前年比111%増と大幅に伸長。今年は「イーベイ」に出品連携できる「ラクマ海外出品おまかせプラン」の本格提供を開始。すでに、昨年5月から試験運用を行っており、「利用した事業者からは『工数を削減できた』と好評だった」(木下シニアマネージャー)という。

 アクセサリー部門とグローバル部門、グリーン部門で1位となった、STAYGOLDの都築多心氏(=写真㊨)は本紙取材に「主力商材である、クロムハーツやゴローズといったシルバーアクセサリーが引き続き好調だったほか、越境ECは購買代行を含めて流通がかなり伸びた」と、ラクマ店の昨年を振り返った。1万円前後のアパレルが売れる「メルカリShops」と比較しても、ラクマは高額なクロムハーツの回転が良いなど、単価が高めという。

 昨年のラクマSOYでは、グリーン部門で1位、グローバル部門が3位だった。25年2月期におけるラクマ店の売上高は約50%増で推移。越境など好調な売り上げを背景に「3冠達成」となった。
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