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BASEがEストアー買収へ 33億円で金融サービスなど横展開

2025年 1月 9日 12:00

 通販サイト構築システム「BASE」を提供するBASEは12月26日、Eストアーを子会社化すると発表した。買収完了は7月中旬を予定しており、買収額は約33億円。BASEが手掛ける金融サービスや決済サービスなどを、Eストアーの通販サイト構築システム「Eストアーショップサーブ」加盟店に展開する。

 
 Eストアーは1999年の創業で、中小企業向け通販サイト構築システムとして「ショップサーブ」を手掛けている。流通総額は約1000億円。2024年3月期連結業績は、売上高が前期比33・0%増の125億6600万円、営業利益は同23・0%増の10億8600万円だった。

 Eストアーは、連結子会社4社と関連会社4社(うち、持ち分法適用3社)の計9社で構成。BASEはEストアーを子会社化するほか、子会社のアーヴァイン・システムズと、持分法適用関連会社3社、非持分法適用関連会社1社も買収する。なお、大企業向けに通販サイト構築を手掛けるコマースニジュウイチ(コマース21)ほか、WCAとSHIFFONは株式取得対象とならない。

 まず、日本成長投資アライアンスが設立した特別目的会社「JG27」を主体としてTOBを実施。まず、WCAとSHIFFONは、TOB実施前に第三者への譲渡とMBOを実施する。

 3月4日~4月1日にかけてTOBを行い、成立後は株式併合により、Eストアーの株主をJG27とユニコム(Eストアー石村賢一社長の資産管理会社)のみとする。その後、JG27がEストアーを完全子会社化し、Eストアーからコマース21の株式を取得。7月中旬にはBASEがJG27からEストアーの株式を取得し、買収が完了するという流れだ。

 買収後のEストアーにおける、役員構成を含む経営体制の詳細については、現時点では決まっておらず、取引後にBASEとEストアーで協議するとしている。

 「BASE」の2023年12月期における流通総額は1359億円。「ショップサーブ」の利用店舗は、「BASE」よりも売上規模が大きい店舗が多いとみられる。「ショップサーブ」利用店舗向けに、「BASE」利用店舗向け拡張機能を実装していくほか、資金調達サービス「YELL BANK」と購入者向けショッピングサービス「Pay ID」を横展開。さらには、グループ流通総額の大幅増加に伴う、各種原価。手数料圧縮による、コストメリットも見込んでいる。
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