前号に続き、auコマース&ライフ(aCL)の八津川博史社長(=
写真)に、2019年に行った施策の成果などを聞いた。
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――スマートパスプレミアム(スマパスプレミアム)会員向けの送料無料特典はaCLが負担している。いつまで続けるのか。
「『auベストコマース』として利用し続けてもらうことが重要なので、短期的なキャンペーンではない。やり続けていくことが大事なので、ユーザーにより支持してもらえるサービスに引き上げていきたい」
――送料無料に対応した『プレミアム店舗』の流通額は伸びているか。
「伸び率はかなり高い。当初は店単位で送料無料にしていたが、現在は商品ごとに決めている。カテゴリーによっては商材の特性が違うので、すぐに出荷できない商品もあるからだ」
「顧客との関係性を高めていくためには、単にポイントを増量するだけではなく、商材ラインアップやユーザーへのおもてなし、安心感なども重要な物差しになる。ネットプロモータースコアの向上に現れているように、少しずつやってきたことが結果として出てきている。2020年は、これまでの施策にさらに磨きをかけていきたい」
――購入者に占めるスマパスプレミアム会員の割合は。
「非公表だが、かなり高い比率になってきている。スマパスプレミアムの会員数は現在750万人程度で、『au』というブランドへのロイヤリティーも高い。こうしたコアなユーザーに支持してもらうことは非常に重要で、スマパスプレミアム会員を中心としたしっかりとした基盤があってこそ、さまざまなユーザーに買い物をしてもらえるサービスになれるのではないか」
――リピーターも増えているのでは。
「強い係数が出ており、スマパスプレミアム会員の購入比率増加につながっている」
――12月にはau携帯電話のデータ容量の購入が可能な「データチャージカード」やアップルの「Appストア&iTunesギフトカード」、グーグルの「グーグルPlayギフトコード」の取り扱いを始めた。
「新しいチャレンジで、思いのほか支持いただけている。また、前年以上に『ワウマふるさと納税』の利用も伸びており、サービスや商材の幅を広げることができた」
――ポイントが割増になる「お得なポイント交換所」の利用動向については。
「ポイントをたくさん持っているユーザーほど動くのではないかと思っていたが、そこまでポイントを保有してないユーザーもかなり交換している。auユーザーでもauワウマを知らなかったり、利用したことがなかったりするケースはまだまだ多いので、こうした人たちに知ってもらい、買い物してもらうという施策も丁寧に進めており、auユーザーにおけるauワウマの利用率もかなり伸びている」
――「auワウマダイレクト」など、最近は直販にも力を入れているが、位置づけは。
「扱うのはあくまで限られたカテゴリーではあるが、自分たちで在庫を抱えて、『売りたいときに売れる』商品でもあることから、ユーザーにプラットフォームに来てもらうきっかけになりやすい。多くのユーザーが注目し、在庫の出入りの調整がしやすいカテゴリーに関しては直販で扱うようにしている。また、旧ルクサから付き合いがあるメーカーやブランドの商品も販売している。モールとしてあまり扱っていないカテゴリーの商材や、通信に関連した商材など、直販で扱う意味がある商材はまだまだあると思うので、チャレンジしていきたい」
――出店店舗向け有料コミュニティープラットフォーム「auワウマサロン」を始めた。
「auワウマは規模的にはまだまだ小さいが、店舗との距離は非常に近いという特徴がある。店舗と一緒になって売り上げを作っていたり、新しいチャレンジをしたりする際に、オンラインサロンというツールは非常に役立つのではないか。すでに店舗にもかなり利用していただいているので、中身にもっと磨きをかけて、サロン発の企画や機能なども生み出したい」
「現在は、成功事例を紹介した動画講座による初心者的な店舗の引き上げが中心だが、年明け以降はメーカーやブランドとのマッチングサービスを設けるなど、新たなチャレンジをしていきたい。例えば新商材の開発や、メーカーとタイアップしたキャンペーンなどが考えられる。また、オフラインセミナーの開催を予定しており、売り上げ上位の店舗の担当者を講師に呼ぶ計画もある」
――5月をめどに「auウォレットポイント」を、ローソンなどが導入している共通ポイント「Ponta(ポンタ)」に統合する。
「具体的な取り組みについてはこれから詰めるが、会員基盤が統合されるのは大きい。最初は薄い接点かもしれないが、成長機会が広がるのは間違いないからだ。また、ローソンという実店舗のユーザーとも接点が持てるようになるので、auワウマ出店者と一緒に商売につながるようにしていきたい。最近はOMO(オンラインとオフラインの融合)が加速しているが、世界的にみると日本は遅れている。KDDIグループにとって今回の提携は、次の成長に向けたブースターになるのではないか」
――auウォレットポイントは通信料金に充当できるなどの特徴があるが、統合後はどうなるのか。
「ポイントの使い道に関しては、今後はポンタ側と協議して決めていくことになる。よりユーザーに支持してもらえる形にしていきたい」
――2020年の目標は。
「当社は『au経済圏』の中で出口を担っている。よりユーザーに支持してもらうとともに、支持層を拡大していきたい。また、サービスや商材の幅を広げていく。例えば、『ルクサ』では『コト系』商材を扱ってきたわけだが、auワウマのユーザーにどのように届けるかといった取り組みだ。出店者向けサポートについては、基本的な機能の整備はかなり進んだので、ユーザー分析などデータ提供サービスを充実させたい」(おわり)
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――スマートパスプレミアム(スマパスプレミアム)会員向けの送料無料特典はaCLが負担している。いつまで続けるのか。
「『auベストコマース』として利用し続けてもらうことが重要なので、短期的なキャンペーンではない。やり続けていくことが大事なので、ユーザーにより支持してもらえるサービスに引き上げていきたい」
――送料無料に対応した『プレミアム店舗』の流通額は伸びているか。
「伸び率はかなり高い。当初は店単位で送料無料にしていたが、現在は商品ごとに決めている。カテゴリーによっては商材の特性が違うので、すぐに出荷できない商品もあるからだ」
「顧客との関係性を高めていくためには、単にポイントを増量するだけではなく、商材ラインアップやユーザーへのおもてなし、安心感なども重要な物差しになる。ネットプロモータースコアの向上に現れているように、少しずつやってきたことが結果として出てきている。2020年は、これまでの施策にさらに磨きをかけていきたい」
――購入者に占めるスマパスプレミアム会員の割合は。
「非公表だが、かなり高い比率になってきている。スマパスプレミアムの会員数は現在750万人程度で、『au』というブランドへのロイヤリティーも高い。こうしたコアなユーザーに支持してもらうことは非常に重要で、スマパスプレミアム会員を中心としたしっかりとした基盤があってこそ、さまざまなユーザーに買い物をしてもらえるサービスになれるのではないか」
――リピーターも増えているのでは。
「強い係数が出ており、スマパスプレミアム会員の購入比率増加につながっている」
――12月にはau携帯電話のデータ容量の購入が可能な「データチャージカード」やアップルの「Appストア&iTunesギフトカード」、グーグルの「グーグルPlayギフトコード」の取り扱いを始めた。
「新しいチャレンジで、思いのほか支持いただけている。また、前年以上に『ワウマふるさと納税』の利用も伸びており、サービスや商材の幅を広げることができた」
――ポイントが割増になる「お得なポイント交換所」の利用動向については。
「ポイントをたくさん持っているユーザーほど動くのではないかと思っていたが、そこまでポイントを保有してないユーザーもかなり交換している。auユーザーでもauワウマを知らなかったり、利用したことがなかったりするケースはまだまだ多いので、こうした人たちに知ってもらい、買い物してもらうという施策も丁寧に進めており、auユーザーにおけるauワウマの利用率もかなり伸びている」
――「auワウマダイレクト」など、最近は直販にも力を入れているが、位置づけは。
「扱うのはあくまで限られたカテゴリーではあるが、自分たちで在庫を抱えて、『売りたいときに売れる』商品でもあることから、ユーザーにプラットフォームに来てもらうきっかけになりやすい。多くのユーザーが注目し、在庫の出入りの調整がしやすいカテゴリーに関しては直販で扱うようにしている。また、旧ルクサから付き合いがあるメーカーやブランドの商品も販売している。モールとしてあまり扱っていないカテゴリーの商材や、通信に関連した商材など、直販で扱う意味がある商材はまだまだあると思うので、チャレンジしていきたい」
――出店店舗向け有料コミュニティープラットフォーム「auワウマサロン」を始めた。
「auワウマは規模的にはまだまだ小さいが、店舗との距離は非常に近いという特徴がある。店舗と一緒になって売り上げを作っていたり、新しいチャレンジをしたりする際に、オンラインサロンというツールは非常に役立つのではないか。すでに店舗にもかなり利用していただいているので、中身にもっと磨きをかけて、サロン発の企画や機能なども生み出したい」
「現在は、成功事例を紹介した動画講座による初心者的な店舗の引き上げが中心だが、年明け以降はメーカーやブランドとのマッチングサービスを設けるなど、新たなチャレンジをしていきたい。例えば新商材の開発や、メーカーとタイアップしたキャンペーンなどが考えられる。また、オフラインセミナーの開催を予定しており、売り上げ上位の店舗の担当者を講師に呼ぶ計画もある」
――5月をめどに「auウォレットポイント」を、ローソンなどが導入している共通ポイント「Ponta(ポンタ)」に統合する。
「具体的な取り組みについてはこれから詰めるが、会員基盤が統合されるのは大きい。最初は薄い接点かもしれないが、成長機会が広がるのは間違いないからだ。また、ローソンという実店舗のユーザーとも接点が持てるようになるので、auワウマ出店者と一緒に商売につながるようにしていきたい。最近はOMO(オンラインとオフラインの融合)が加速しているが、世界的にみると日本は遅れている。KDDIグループにとって今回の提携は、次の成長に向けたブースターになるのではないか」
――auウォレットポイントは通信料金に充当できるなどの特徴があるが、統合後はどうなるのか。
「ポイントの使い道に関しては、今後はポンタ側と協議して決めていくことになる。よりユーザーに支持してもらえる形にしていきたい」
――2020年の目標は。
「当社は『au経済圏』の中で出口を担っている。よりユーザーに支持してもらうとともに、支持層を拡大していきたい。また、サービスや商材の幅を広げていく。例えば、『ルクサ』では『コト系』商材を扱ってきたわけだが、auワウマのユーザーにどのように届けるかといった取り組みだ。出店者向けサポートについては、基本的な機能の整備はかなり進んだので、ユーザー分析などデータ提供サービスを充実させたい」(おわり)