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両社が共同開発した感情解析コールセンターAIは、音声から気分状態を可視化するAIエンジン「エンパス」を利用。オペレーターと電話口の顧客双方の声の様子から、「喜び」「平常」「怒り」「悲しみ」といった4つの感情に分類し、リアルタイムで表示する。エンパスによると、喜怒哀楽の感情解析の精度は75%程度という。
この技術をコールセンターの現場で活用。オペレーターが操作する画面上では、バーチャル・アシスタントというキャラクターが応対時の感情に合わせて褒めや励まし、慰めなどを行ってフォローする。
SVなど管理者の画面では進行中の通話状況をオペレーターごとに確認することが可能で、通話時間や成約率といったパフォーマンスのほか、感情の推移を把握できる。
オペレーターの元気度を可視化できるため、管理者が早めにオペレーターのサポートを行うといった対応も可能になる。オペレーターへの素早いケアにより、業務上の不安や不信感を取り除き、離職率の低減が期待されるようだ。
両社は今年3~6月にわたって、TMJの福岡の拠点を使って実証実験を行った。アウトバウンドコールの業務で感情解析AIが管理者の代わりに褒めたり、慰めるなどオペレーターをサポートした。通話中にサポートが必要な場合に管理者に知らせる機能なども搭載した。
その結果、現場のオペレーターからは「適切なサポートを受けていると実感できるようになった」などの声が寄せられたという。TMJではオペレーターのパフォーマンス向上や離職抑止に期待を寄せている。
SVが忙しくてオペレーターのケアができないところをAIで補うというこのサービス。エンジンを提供するエンパスでも「オペレーターとSVの間でコミュニケーションの質が上がるというのがキーコンセプトになる」(下地CEO)と説明する。それにより「チーム全体の生産性も高まる」(同)とみている。
将来的には顧客の反応を数値化し、制約に向けたトークを提案するなど「ハイパフォーマーのように空気を読んだ会話ができるようにしたい」(同)とする。
良い応対の空気感を可視化し、コールフェーズに合わせて顧客の感情の琴線に触れるようなトークを導くことを目指している。