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パルシステム 物流センター探訪──ピッキングミスが半分以下に

2010年 5月23日 19:44

 7-2.jpgパルシステム生活協同組合連合会の、冷凍専用物流センター「南大沢センター」が稼働して約1年が経過した。システムの導入で倉庫内の搬送を自動化したことによりピッキングミスは従来の半分に改善、1日あたりのピッキング時間は3時間短縮した。現状は計画どおりに稼働しており、2年後には1日あたりの出荷件数を現状の2万件増やし13万件以上に拡大する計画。

 冷凍専用センター「南大沢センター」は09年2月に在庫を管理する「在庫センター」を稼働させ、同年4月にピッキング機能を持つ「セットセンター」の運営を開始した。パルシステムは菱食が管理する3万3590平方メートルの半分を借りて運営し、現在290アイテムの冷凍品を扱う。1日あたり2万2000ケースの納品があり、12万件の受注分を出荷する。
 
 同センターでは入荷から商品棚までの商品の搬送を自動化している。入荷時に登録した賞味期限や商品重量などの在庫データを、受注データと連動。倉庫内で受注データに合わせて必要な在庫だけを商品棚まで搬送。人を介さずピッキングラインまで搬送することでミスを防止し、効率化を図っている。
 
 ミスの防止に寄与するのが「自動補充システム」だ。保管倉庫から自動で商品を移送し、商品棚に在庫を設置するもの。注文数量に合わせて賞味期限の短いものからケース単位で保管倉庫から出庫し、一度保管スペースで待機。集品ラインの商品棚で1ケース終わるのを待ち、保管スペースから自動で商品棚まで配置される仕組みだ。 

 商品棚への在庫設置をスタッフで行っていた導入前は、配置ミスなどが原因で100万件のピッキングで90件のミスが発生していたという。同システムの導入により、ピッキングミスは半分以下の40件に改善された。今後精度を高めて、100万件中20件まで改善させたい考えだ。

 「セットセンター」のピッキングで時間短縮に寄与するのが「ウエイトピッカー付き商品自動投入装置」だ。商品マスターに基づいて商品重量を点検しながらピッキングするもの。ピッキングした商品が正しければ自動投入装置上をスライドし、一人ひとりの受注データと紐付いた循環容器に自動で投入される。

 自動投入装置は最大で5件の受注分をあらかじめピッキングすることが可能。注文とピック商品が異なる場合はウエイトチェッカーが反応。稼働速度を速めても循環容器に投入される前にミスが分かり、ラインを停止することなく作業を進めることができるという。
 
 今回の装置を導入したことで、一件あたりのピッキング速度は0.3秒改善し、1.5秒台になった。導入前と比べると1日あたり3時間の短縮につながったという。今後、さらにスピードの短縮を図り、ユーザーの拡大に対応したい考え。

 コスト面については、これまで岩槻などの3カ所の物流センターに分散していた冷凍品のセットセンターを南大沢に集約したことや、人員を4割縮小していることから削減が図れているもよう。
 
 今後、ピッキングラインの作業を効率化し、処理能力を高めたい考え。現状稼働しているセットラインを2ライン増やし6ライン稼働させるほか、倉庫の拡大などで、13万件の受注に対応する。


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