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冷凍専用センター「南大沢センター」は09年2月に在庫を管理する「在庫センター」を稼働させ、同年4月にピッキング機能を持つ「セットセンター」の運営を開始した。パルシステムは菱食が管理する3万3590平方メートルの半分を借りて運営し、現在290アイテムの冷凍品を扱う。1日あたり2万2000ケースの納品があり、12万件の受注分を出荷する。
同センターでは入荷から商品棚までの商品の搬送を自動化している。入荷時に登録した賞味期限や商品重量などの在庫データを、受注データと連動。倉庫内で受注データに合わせて必要な在庫だけを商品棚まで搬送。人を介さずピッキングラインまで搬送することでミスを防止し、効率化を図っている。
ミスの防止に寄与するのが「自動補充システム」だ。保管倉庫から自動で商品を移送し、商品棚に在庫を設置するもの。注文数量に合わせて賞味期限の短いものからケース単位で保管倉庫から出庫し、一度保管スペースで待機。集品ラインの商品棚で1ケース終わるのを待ち、保管スペースから自動で商品棚まで配置される仕組みだ。
商品棚への在庫設置をスタッフで行っていた導入前は、配置ミスなどが原因で100万件のピッキングで90件のミスが発生していたという。同システムの導入により、ピッキングミスは半分以下の40件に改善された。今後精度を高めて、100万件中20件まで改善させたい考えだ。
「セットセンター」のピッキングで時間短縮に寄与するのが「ウエイトピッカー付き商品自動投入装置」だ。商品マスターに基づいて商品重量を点検しながらピッキングするもの。ピッキングした商品が正しければ自動投入装置上をスライドし、一人ひとりの受注データと紐付いた循環容器に自動で投入される。
自動投入装置は最大で5件の受注分をあらかじめピッキングすることが可能。注文とピック商品が異なる場合はウエイトチェッカーが反応。稼働速度を速めても循環容器に投入される前にミスが分かり、ラインを停止することなく作業を進めることができるという。
今回の装置を導入したことで、一件あたりのピッキング速度は0.3秒改善し、1.5秒台になった。導入前と比べると1日あたり3時間の短縮につながったという。今後、さらにスピードの短縮を図り、ユーザーの拡大に対応したい考え。
コスト面については、これまで岩槻などの3カ所の物流センターに分散していた冷凍品のセットセンターを南大沢に集約したことや、人員を4割縮小していることから削減が図れているもよう。
今後、ピッキングラインの作業を効率化し、処理能力を高めたい考え。現状稼働しているセットラインを2ライン増やし6ライン稼働させるほか、倉庫の拡大などで、13万件の受注に対応する。