にんにくや青汁など、国内で伝統的に食されてきた素材を用いた健康食品は、消費者に機能性が伝わりやすく、通販に適した商材とされる。健康の森が扱う黒酢の健食もその1つだ。だが、商品訴求しやすいだけに一定の市場を形成した後は、競合増加が市場の飽和を招き、パイの奪い合いとなるケースが少なくない。こうした中、「顧客の継続化」を重視し、着実に成長してきた健康の森の鮎川和久社長に今後の戦略を聞く。
(聞き手は本紙記者・佐藤真之)
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―「黒酢」市場は、競合他社の増加で競争が激化している。まず、他社と差別化が図られているポイントについて伺いたい。 「売り上げより"顧客の継続化"に重きを置いている点だ。健食は続けることに意味があり、未病の方に継続的に飲んでもらうには低価格で提供する必要がある」
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―黒酢関連の商材を3アイテム展開するが価格は全て約1,300円に抑えられている。 「市場で最も安いのではないか。原価は異なるが全て価格は同じ。これは、通販開始当初から変わらない考えだ」
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低価格で提供することで販売戦略が絞られてしまうと思うが。 「それは当然ある。だが、ゆっくりでも着実な成長をめざしたい」
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―これまで、どういった媒体を中心に新規獲得を進めてきたか。 「新聞が中心で、3年前からテレビ通販も始めた。だが、新規獲得の核は紹介だ」
――月の紹介件数はどの程度ある。 「月平均2,000人の新規顧客のうち300人が紹介によるものだ」
――なぜ多くの紹介件数を獲得できているのか。 「第1に商品力であると思う。ただ、紹介する方とされる方に鹿児島の特産品を贈呈することで、紹介者が声をかけやすい環境をつくっている」
――新聞とテレビによる新規獲得はどうか。 「テレビは新聞よりCPOは良いが、継続性という観点では劣る」
――継続率にどの程度の違いがある。 「初回定期申し込みはテレビが6割で新聞が4割。だが3カ月後の継続率で見ると15%ほど新聞が高い。やはり衝動的な購入が多いと感じる」
――テレビの将来性をどう捉えているか。 「人気のある放送枠の価格は高騰しており、中小企業が同じ土俵で戦っても勝ち目はない。ただ、テレビ通販のあり方も今後変わってくると思う」
――テレビ通販を取り巻く環境がどう変わると見ているか。 「行政サイドが『広告』として規制する動きもあるし、割引特典などをつけ、衝動的な購入を促す仕掛けもエスカレートしてきた。こうしたスタイルが長く顧客に受け入れられるとは考えにくい」
――となると、今後はテレビをどう活用する。 「新聞など紙媒体のレスポンスを高めるため、15―30秒のスポットCMを連動させて企業や商品イメージの浸透を図ることに使いたい」
――すでに準備を始めているのか。 「鹿児島では新聞に連動した形でインフォマーシャルを展開し、3倍のレスポンスを得ることができた」
――同様の戦略を全国で展開していくのか。 「各県で県民性の違いがあり、特に関東圏の顧客は広告に対する反応が鈍い。価格をある程度高めに設定するなどしてブランド価値を演出する必要があると感じる」
――理念に反することになる。 「スタンスを変えてまで、関東圏の地域性に合致した戦略を取る必要はない。ゆっくりでもいいから、まずは各県を攻略して企業体力をつけ、今のスタンスを崩さず挑戦していきたい」
――前期(09年12月期)実績は前々期比26%増の約6億円だった。今期の売上目標は。 「今期は7億2,000万円をめざす。期末のアクティブ会員数(約3万人)が維持できれば目標は達成できる見通しだ。来期は10億円を突破したい」
――将来の展望は。 「鹿児島県は焼酎や黒豚など商材が豊富な地で原料供給が主な産業だった。一方で売り方は下手。将来的には仕入れ商材も含め、特産品を県外に発信できる企業をめざしていきたい。また、通販は便利なものだが、互いの顔が見えない点が対面販売に比べデメリットになっている。近い将来、テレビ電話を活用するなどして顧客との距離を縮める努力をしたい」
――「黒酢」市場は、競合他社の増加で競争が激化している。まず、他社と差別化が図られているポイントについて伺いたい。
「売り上げより"顧客の継続化"に重きを置いている点だ。健食は続けることに意味があり、未病の方に継続的に飲んでもらうには低価格で提供する必要がある」
――黒酢関連の商材を3アイテム展開するが価格は全て約1,300円に抑えられている。
「市場で最も安いのではないか。原価は異なるが全て価格は同じ。これは、通販開始当初から変わらない考えだ」
――低価格で提供することで販売戦略が絞られてしまうと思うが。
「それは当然ある。だが、ゆっくりでも着実な成長をめざしたい」
――これまで、どういった媒体を中心に新規獲得を進めてきたか。
「新聞が中心で、3年前からテレビ通販も始めた。だが、新規獲得の核は紹介だ」
――月の紹介件数はどの程度ある。
「月平均2,000人の新規顧客のうち300人が紹介によるものだ」
――なぜ多くの紹介件数を獲得できているのか。
「第1に商品力であると思う。ただ、紹介する方とされる方に鹿児島の特産品を贈呈することで、紹介者が声をかけやすい環境をつくっている」
――新聞とテレビによる新規獲得はどうか。
「テレビは新聞よりCPOは良いが、継続性という観点では劣る」
――継続率にどの程度の違いがある。
「初回定期申し込みはテレビが6割で新聞が4割。だが3カ月後の継続率で見ると15%ほど新聞が高い。やはり衝動的な購入が多いと感じる」
――テレビの将来性をどう捉えているか。
「人気のある放送枠の価格は高騰しており、中小企業が同じ土俵で戦っても勝ち目はない。ただ、テレビ通販のあり方も今後変わってくると思う」
――テレビ通販を取り巻く環境がどう変わると見ているか。
「行政サイドが『広告』として規制する動きもあるし、割引特典などをつけ、衝動的な購入を促す仕掛けもエスカレートしてきた。こうしたスタイルが長く顧客に受け入れられるとは考えにくい」
――となると、今後はテレビをどう活用する。
「新聞など紙媒体のレスポンスを高めるため、15―30秒のスポットCMを連動させて企業や商品イメージの浸透を図ることに使いたい」
――すでに準備を始めているのか。
「鹿児島では新聞に連動した形でインフォマーシャルを展開し、3倍のレスポンスを得ることができた」
――同様の戦略を全国で展開していくのか。
「各県で県民性の違いがあり、特に関東圏の顧客は広告に対する反応が鈍い。価格をある程度高めに設定するなどしてブランド価値を演出する必要があると感じる」
――理念に反することになる。
「スタンスを変えてまで、関東圏の地域性に合致した戦略を取る必要はない。ゆっくりでもいいから、まずは各県を攻略して企業体力をつけ、今のスタンスを崩さず挑戦していきたい」
――前期(09年12月期)実績は前々期比26%増の約6億円だった。今期の売上目標は。
「今期は7億2,000万円をめざす。期末のアクティブ会員数(約3万人)が維持できれば目標は達成できる見通しだ。来期は10億円を突破したい」
――将来の展望は。
「鹿児島県は焼酎や黒豚など商材が豊富な地で原料供給が主な産業だった。一方で売り方は下手。将来的には仕入れ商材も含め、特産品を県外に発信できる企業をめざしていきたい。また、通販は便利なものだが、互いの顔が見えない点が対面販売に比べデメリットになっている。近い将来、テレビ電話を活用するなどして顧客との距離を縮める努力をしたい」