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オットージャパン・主力事業の次の一手㊦ 16年秋冬にブランド刷新、ECチャネルも強化へ

2016年 9月 1日 11:29

031.jpg オットージャパンは、30周年を迎えた基幹ブランド「オットー」をリニューアルし、2016年秋冬シーズンに臨む。

 近年、他社ブランドとの同質化が進み、成長期のオットーブランドの強みだった「強烈な個性や大胆さ、華やかさが薄れてきていた」(松村光庸執行役員)とし、多くの顧客に支持されていた当時の"個性"に現代のエッセンスを加える。

 新生「オットー」では、新たなブランドステイトメントとして"おしゃれをしない人生なんて~dress your life~"を打ち出し、「艶」をキーワードに商品とクリエイティブを刷新した。

 商品面ではエレガントで知性があり、自信に満ちた大人の女性をコアターゲットに、シンプルなアイテムでも艶感のある着こなしや色合いを重視してアイテムの魅力を引き上げる。

 8月22日に発刊したカタログ秋号の巻頭では、「オットー」が得意とする"花柄プリントワンピース"と"レース使いアイテム""主役となるトップス"を展開。価格以上の価値があるアイテムを届ける。

 クリエイティブについては、秋号の表紙(=画像)を含めたモデルの表情やロケ撮影による動きのあるポージングに加え、置き撮りや寄りの撮影で生地の質感が伝わりやすい商品写真を増やした。商品の良さを一瞬で伝えることに力点を置き、例えば、ワンピースを上半身だけのカットで見せるなど、従来にはない表現の仕方で大人の艶や素材感を見せて購買意欲を喚起する。

 通販サイトでは、「オットー」では初めてルックブックを展開。艶感を感じられるクリエイティブにこだわったほか、カタログでは表現しきれないコーディネート提案に加え、動画で服の動きや素材感を伝える取り組みも行う。

 また、秋号では単品訴求にも力を注いでおり、1アイテム当たりの売り場面積を従来よりも割いて臨んでいるほか、商品開発のプロセスも見直したという。

 通常、「オットー」は基幹ブランドのため、テストカタログからスタートする長い商品開発サイクルが特徴で、トレンドの傾向が分かる前に企画をスタートしている。これに対し、夏号から一部のアイテムに関してはテストカタログでは展開せず、社内の判断スピードを早めることなどで期中の商品投入に挑戦した結果、消費者の反応も良かったことから、秋号ではこうしたアイテムを全体の10%前後に増やしているようだ。

 一方で、新規顧客の開拓に向けてはECチャネルを成長のドライバーととらえ、Eコマース部と商品部が一緒に他社と自社の分析を行い、「ネットで勝てる物作りに挑戦した」(冨田晶子オットー事業部門長)という。

 とくに、画面の小さなモバイルを意識。分かりやすさと、価格訴求力などに注力し、今秋冬シーズンから販売する。ウェブ広告やSNSを通じて新規客にアプローチするが、30周年企画で人気漫画「ベルサイユのばら」とのタイアップ企画にも取り組んでおり、同企画は通販サイトを中心にフェイスブックやLINEなどのウェブ限定とすることで、新しい顧客層を開拓する。

 「オットー」ブランドはカタログがメインではあるものの、今春夏シーズンもECの売り上げ構成比は高まってきており、秋冬でもこの流れを加速したい考えで、ウェブへの投資を継続して早期にEC化率50%を目標とする。   (おわり)

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