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ヤフーはアリババグループと連携して、日用品や化粧品のメーカーなど中国で売れ筋の商品を製造、販売する国内企業を対象に、今夏にも中国でのEC支援サービスを開始する。
ヤフーを通じてアリババが運営する仮想モール「天猫(ティーモール)」および「天猫国際(ティーモールグローバル)」に安価に出店できるという。通常は出店時に保証金なども含めて最低でも150万円の初期費用が掛かるが、ヤフーやアリババが負担する形で「初年度だけの優遇措置となるが、(通常費用の)5分の1から10分の1に抑えようと現在、調整している」(ヤフー)とする。
また、出店後の送客を特別に支援。「例えば通常は有料となるバナーを『天猫』『天猫国際』内でも目立つ場所に無料掲載する試みなどを考えている」(同)という。
このほか、「出店」という形式を採らずに、ヤフー側、または同社と連携する企業が出店者から商品を仕入れて販売するなどの方式も検討しているよう。「初めはリスクなく、中国でのECを始めてもらい、今後につなげたい」(同)としている。
なお、中国での越境ECに必要な輸入・関税手続き、中国での配送作業などはヤフーとアリババで共同して取り組むという。
まずは第一次募集として、特に中国で人気の高い商品を製造、販売する企業、約100社に絞って中国でのEC支援サービスを実施する。開始時期は「今夏がメド。遅くとも(中国の各ECサイトがセールを行い、EC売上高が激増する)11月11日の『独身の日』までには間に合わせたい」(同)という。
ヤフーは2012年5月にそれまで実施していた「淘宝網」と連携した中国への越境EC支援事業から撤退しており、中国でのEC支援事業は3年ぶり。今回、中国でECを行いたい企業が増え、「機は熟した」(同社)とし、ともにソフトバンクが筆頭株主であるグループシナジーを活かして、アリババの中国最大の仮想モールに安価に日本企業が出店できるプランを構築して、再度の参戦を決めたようだ。
さらにヤフーは中国支援事業だけでなく、同支援事業を武器に、国内の仮想モール「ヤフーショッピング」の強化・拡大も図る狙い。「天猫」「天猫国際」に安価に出店できる優遇プランは「ヤフーショッピング」への同時出店を条件としており、さらに同プランで出店した場合、モール内での優遇措置なども合わせて行うとしており、これを機にこれまで「ヤフーショッピング」には出店していなかった優良企業などを取り込みたい狙いもあるようだ。