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ビザとライフカード、「Visa」の新決済 高セキュリティーのバーチャルプリペイド

2011年 7月10日 21:48

手数料がネックに?

ビザ・ワールドワイド(本社・東京都千代田区、岡本和彦)とライフカード(本社・東京都港区、磯野和幸社長)は共同で、6月30日から通販サイトで使える新たな決済サービス「Visaバーチャルプリペイドカード(Vプリカ)」の販売を開始した。専門のウェブページから購入するバーチャルなプリペイドカードというもので、Visaカードで決済が行える通販サイトであれば、世界中で利用が可能という。カードの不正使用を防止する仕組み「VISA認証サービス(3―Dセキュア)」に対応していることから、通常のクレジットカードでの決済に不安を感じるユーザーの利用を見込んでいる。
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 「Vプリカ」の使用にあたっては、まずアカウントを開設後、マイページで3000円・5000円・1万円・2万円・3万円の5種類の中から、希望の金額を購入する。購入には、VisaかMasterCardを使ってネット上で決済を行う。

 購入は24時間365日可能で、審査や本人確認は不要。購入後はすぐに利用でき、有効期限は1年間になる。

 アカウント開設時に「Vプリカ」での名義となるニックネームを登録する仕組みで、これにより匿名性を確保する。ネット決済時もそのままニックネームを入力すれば決済が可能だ。

 また、「Vプリカ」を使用しない際はマイページにログインしてセキュリティロックをしておくと、カードが一時的に無効となり、第三者の不正使用ができない状態になる。

 「Vプリカ」で商品を購入した場合は、登録しているメールアドレスに利用確認メールが送信され、買い物ごとに明細がメールで届く。残高がなくなった段階で「Vプリカ」の16ケタのカード番号は無効となり、次の「Vプリカ」を購入すると新しい番号が発行される。

 一方、ネット販売事業者側は、すでにVisaカードでの決済に対応していれば、「Vプリカ」の導入コストや特別な手続きは発生しない。

 「Vプリカ」については、将来的にコンビニでの販売も検討するほか、ギフトカードなど商品の追加、あるいは特定サイト専用の「Vプリカ」といったアライアンスによる拡大も模索する方針。現状ではバナー広告などにより認知拡大を図っており、初年度で30万枚の販売を目標に据えている。

 ただ、ネックと言えるのは、購入時に金額ごとに手数料が発生すること。例えば3000円の券種で200円、5000円では300円という具合で、最高額の3万円の券種では手数料は900円に上る。ビザ・ワールドワイドでは「安心料としていただく」(岡本社長)としているが、これが利用のハードルを高めることも想定される。

 プリペイドカードでは初めて本人認証の仕組み「3―Dセキュア」に対応するなど「安心」「安全」に力を入れた「Vプリカ」。ただ、今後利用者がどれだけ拡大し、ネット販売事業者にメリットをもたらすのかについては、ひとまずは様子を見る必要がありそうだ。


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