TSUHAN SHIMBUN ONLINE

インターネット・ビジネス・フロンティア株式会社
記事カテゴリ一覧

楽天が「女性の健康」理解促進、社員向け生理痛体験会など

2025年 3月27日 12:00

 楽天グループは3月8日の国際女性デーに合わせ、同月を「女性の健康月間」と位置付け、女性の健康について理解を深めるための取り組みを行っている。

 イベントを主催するのは、社内の専門組織「ウェルネス部」。従業員のウェルビーイングの向上を目的に、2018年に発足した組織だ。同部は毎年3月を「女性の健康月間」に制定。今年は「月経と社会課題」をテーマに、月経についてディスカッションする場作りを行っている。

 まず、13日には本社で「ウェルネスヨガイベント」を開催。社員らがイベントに参加し、月経症状を和らげるためのポーズを取り入れたヨガを実践した。

 ヨガイベントでは同部の下竹ニコル産業アスレティックトレーナーが指揮をとり、「月経周期のリラクゼーション」をテーマにしたヨガを実践。オンライン含め、約70人の社員が参加した。同僚に誘われて参加を決めたという女性は、「普段社内で身体を動かす機会はないのでとても新鮮。お昼時のリフレッシュになったし、今後も参加してみたい」と話した。

 さらに19日には生理痛を体験できる社内ワークショップを本社で開催した。2回で約70名の社員が参加。男性社員らが専用の器具を使って生理痛を体験したほか、月経に関する悩みを抱える従業員と気持ち良く働くためのディスカッションも実施した。

 参加者の約70%が男性で、外国籍社員が中心だった。管理職も参加している。下腹部に2枚の電極パッドを貼り、電流を送る専用器具を使って生理時の痛みを再現するというもの。体験会の目的は、月経時に痛みや不快感があることを知ってもらうだけではなく、女性の健康に関する理解につなげていくこと。月経をめぐる女性の身体不調を社会問題として捉え、それぞれ何ができるかを考えてもらうとともに、月経に限らず「不調」を口に出せず、我慢を強いられる社会はウェルビーイングではない、ということに気づいてもらう狙いもある。

 体験会では、主に男性が生理痛を疑似体験。専用器具は、3段階に設定された電気刺激を筋肉に流すというものだが、2段階でギブアップする社員が大半。電気刺激を受けながら箸を使って豆を皿に移したり、計算をしたりする試みも行われたが、多くの社員は辛そうな顔を浮かべていた。

 体験会に出席した20代男性社員は「出産時や月経時の痛みを疑似体験できる試みがあるのは知っており、良い機会だと思い参加した。思っていた以上の痛みで、立てなくなるくらいの不快感。毎月来る痛みを顔に出さず、普通に仕事をしているのはすごい」と吐露。そして「生理痛に限らず、ストレスやハラスメントなどについて話し合いにくい職場環境だと、個人で悩みを抱えてしまうことが多い。雑談など、仕事以外で親密な関係性を築くことで、よりオープンに話し合える職場になるのではないか」と、今回の体験を踏まえた感想を語った。
楽天 通販のよみもの 業界団体の会報誌「ジャドマニューズ」 ECのお仕事プロ人材に 通販売上高ランキングのデータ販売